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知者は惑わず勇者は懼れず
3
なーーーッ!!
何ですとーーーッ!



「ま、ままま待って下さい!」

「藤代、お前が来てくれて良かった
これで、活動の幅が拡がった
これを活用しなくてどうする!」

「え?活用って‥‥」



何故だろう
聞いてはいけない気がする‥‥
いや、その前にこの人と関わってはいけない様がしまくる


そんな心情の俺に気付きもしない和泉先輩が、一人ブツブツ嬉しそうに呟き始めた

その呟きに時折
『水没』とか『爆発』とかフレーズが聞こえたような気は

気だけにしとこう‥‥


そして
顔半分隠れていたゴーグルを外して


「よし、やるぞ」


嬉しそうな笑顔を向けて来た



お‥

おぉおーー!!
なんだこの人!!めちゃくちゃカッコイイ人じゃないか!
うわっ、なんて言うかテレビとか雑誌とかに出て来そうな人種


くっきりした二重の目に高い鼻
パーツがどれも整いすぎてるゴージャスっぷり
染めていない黒髪がこれまた似合っていて綺麗で

シルバーのフレームメガネの奥で、その力強い目はぶれる事なく俺を見つめてくる

口調といい、躊躇いのないその態度といい、その性格を表わしたような凛々しい顔立ち


その綺麗に吊り上げている口が動いた



「実験」

「‥‥‥へ?」

「やるぞ」




実験‥‥‥‥‥?
いやまぁ、化学部なら実験は付き物ですけど、何だろう
このザワザワする感じ


『被験者』に『活用』


その言葉も引っ掛かる


‥‥‥‥‥あっ!


‥‥嘘、だ
まさか、嘘ですよね
実験は実験でも‥



「人体実験なんて‥」

「まずは、人は空を飛べるか?だな」

「え゙っ!!?」

「大丈夫だ!参考書もある!」



ってェえええ!!?


「そ、それって‥‥」

「ここでは、武空術と言ってはいるが
何人もの人達はこれで自由に飛んでいるからな」


手に持ってどう見ても
ど、ドラゴンボボボボー‥ル‥


参考書ってマンガ?


あ‥
あぁあ‥



(頭、残念すぎますからー!)



やっぱり人は驚きが強すぎると

言葉に出来ないツッコミも入れるようだ


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