[携帯モード] [URL送信]

知者は惑わず勇者は懼れず
2
「ほう。藤代、ここがお前の家か」

「はい‥‥まさか、本当に来るとは思いませんでした
と、先輩‥‥泊まるって冗談ですよね?」

「一食一飯の恩はする」



マジだこの人
泊まる気満々だッ!


「分かりました‥‥
じゃあ、どうぞ」


何を言っても無駄だと判断した俺は
大きなため息を吐き出し、先輩を自宅へ招き入れた



俺ん家は両親共々、共働き
だから、突然手錠に繋がれた先輩を連れて来ても、驚かれる心配はないが‥‥



「兄ちゃんお帰りッ!!」


元気いっぱい弟の知影(ちかげ)が家にいた



「ん?兄ちゃん、誰そいつ?
兄ちゃんの‥‥友達?」



中学生の知影は何でも興味を持つ
兄である俺が認めるお馬鹿さんではあるが、それがまた可愛い!

今も失礼なんて言葉を知らずに和泉先輩をガン見中

まだ、あどけなさが残る可愛い顔に短髪と見た目はまさに野球少年
そんな風貌の知影はクリクリとした目を輝かせて


「兄ちゃんに友達!!?マジで!?
うわぁ〜〜〜!兄ちゃんに友達がいたッ!」



心臓えぐる悲しい事を平気で言っちゃったり出来る子なんです

ましてや、和泉先輩の手を取り握手なんか交わし


「オレ!兄ちゃんの友達と初めて会ったし!
すっげーー!」



何に感動しているか分からないけど
そこまで友達いないアピールをされると

俺‥‥弟に泣かされそうです


[*前へ][次へ#]

2/17ページ

[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!