知者は惑わず勇者は懼れず
2
「ほう。藤代、ここがお前の家か」
「はい‥‥まさか、本当に来るとは思いませんでした
と、先輩‥‥泊まるって冗談ですよね?」
「一食一飯の恩はする」
マジだこの人
泊まる気満々だッ!
「分かりました‥‥
じゃあ、どうぞ」
何を言っても無駄だと判断した俺は
大きなため息を吐き出し、先輩を自宅へ招き入れた
俺ん家は両親共々、共働き
だから、突然手錠に繋がれた先輩を連れて来ても、驚かれる心配はないが‥‥
「兄ちゃんお帰りッ!!」
元気いっぱい弟の知影(ちかげ)が家にいた
「ん?兄ちゃん、誰そいつ?
兄ちゃんの‥‥友達?」
中学生の知影は何でも興味を持つ
兄である俺が認めるお馬鹿さんではあるが、それがまた可愛い!
今も失礼なんて言葉を知らずに和泉先輩をガン見中
まだ、あどけなさが残る可愛い顔に短髪と見た目はまさに野球少年
そんな風貌の知影はクリクリとした目を輝かせて
「兄ちゃんに友達!!?マジで!?
うわぁ〜〜〜!兄ちゃんに友達がいたッ!」
心臓えぐる悲しい事を平気で言っちゃったり出来る子なんです
ましてや、和泉先輩の手を取り握手なんか交わし
「オレ!兄ちゃんの友達と初めて会ったし!
すっげーー!」
何に感動しているか分からないけど
そこまで友達いないアピールをされると
俺‥‥弟に泣かされそうです
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