[携帯モード] [URL送信]

知者は惑わず勇者は懼れず
4
「藤代、お前‥噂と違ぇな」

「んぐッ‥‥ごほッ」


一心不乱にご飯をかけ込んでいた時
意味深な言葉を突然言われ、食べていたご飯が喉に詰まる



「あ、あの!辻先輩‥‥噂って!?」


そう、ご飯の美味しさにすっかり忘れていたけど
辻先輩は俺の事、族を潰したとか
病院送りとか‥‥


身に覚えの無い事を言っていた!



「ぁあん?他の奴らも言ってるぜ?
そんなナリしてるんだから、どっかのヘッドなんだろ?」



ヘッドって‥‥
な、何ですとーーーッ!
ま、まさか1番強くて、リーダーみたいな人の事を俺だって言ってる訳‥‥



「デカい族束ねて、喧嘩に明け暮れてるヤグザの息子だってもっぱらの噂‥」

「なにィイイッ!!せ、せ、先輩ッ!」

「うぉっ!お、おい藤代!?」



居ても立ってもいられなくなった俺は、隣に座っている辻先輩に詰め寄っていた



「そんなの全く持ってデタラメですよそんな噂!
俺、俺‥‥喧嘩なんて恐れ多い、普通の‥
普通の高校生、なのに‥」


「お、おい!?」



嘘だ‥‥‥
こんな噂が流れていたなんて
こんなんじゃ、いつまでたっても友達なんか出来ない‥
そしてまた一人ぼっち‥



(あ‥‥マズい)


鼻の奥がツンとして、ハッキリとしていた視界がぼやけ始める



「俺、俺‥‥う、ぅうッ」

「お、おい?藤代?大丈夫か?」

「く、ゥ‥うぅう〜〜ッ」



止め様とした涙を我慢すればするほど、
堰を切ったように溢れ出した






「‥‥お、俺だって好きでこんな見た目してない‥のに‥グスッ
み、みんなとご飯食べて、遊びたい‥です」

「あぁ」

「でも、みんな怖がって‥‥うぅ
俺、いつも一人で‥‥ッ」

「ツレェなそれは」



ボロボロと号泣して、思いの丈を先輩に聞いて貰ってと

いつの間にか屋上で人生相談をしています


[*前へ][次へ#]

4/6ページ

[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!