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知者は惑わず勇者は懼れず
6
触りたい‥‥
触って欲しい‥‥

熱い‥‥
どうにかして欲しいッ!



ドクンッ、ドクンッ
と、心臓の音がうるさい
その音に衝き動かされるように、俺は手を伸ばしていた


「て、テメェエエッ!何しやがるッ!」

「す、すいません‥‥すいま、せんッ
なんでか、クッ‥分からないんです、けど‥‥俺ッ」

「ぉオイッ!なッ!離れろテメェ!」



慌てた声が耳元から聞こえる
俺を引き離そうと力いっぱい掴まれた腕からも熱が高ぶって



(離れたくないッ)



俺は、さらに力を込めて不良さんの首に縋り付いた



「お、ぉおおいっ!藤代ッ!」

「‥ン‥すいませんッ、」



俺どうしちゃったんだ?
恐ろしいぐらいに怖い不良さんに、何で抱き着いてんだ?
でも、じんわりと温かい人肌と焦っている低い声にゾクゾクして



「ッはぁ、‥‥ッ、ん」



欲情する



‥‥‥‥‥欲情?



「て、テメェッ!‥‥ッ!
な、ななな、なに擦り付けてやがるッ!」



顔が熱い
体も熱い

泣きそうなぐらいに欲しくて堪らない



「ッ、どうにか‥‥して下さいッ
俺、俺ッ‥‥体が‥」

「ッ!!!」



不良さんの驚き見開いた目
当たり前だと思う


今、自分でも信じられない程だ


「お‥願い、っします」



不良さんの下半身に自ら腰を擦り付けているとか、シャツから覗く肌に唇を這わせてるなんて


夢を見ているに違いない


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あきゅろす。
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