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知者は惑わず勇者は懼れず
6
この目はマズい‥


和泉先輩と接しているうちに分かって来た
興味を持った時の先輩の目はギラギラと光り、獲物を見つけた時の

肉食動物そのもの



「い、和泉先輩‥
お、俺用事思い出したので帰ー‥」

「成る程。男でも感じるのか‥‥」


き、聞いちゃいねぇー!!


一歩後ろに俺が下がれば、先輩が一歩詰めてくる
ジリジリとにじり寄る先輩から離れ様とした俺はついに


ドンッ


と、背中に硬い壁を感じてしまった



後ろは壁
前は奇人先輩
俺の顔の横には和泉先輩の両手


これは、まさかの‥
逃げ場なしッ!?



「藤代。プランDだ」

「へ?」

「男が胸を触られると、どんな感じになるか試すぞ」



‥‥‥‥た
たたたたッ!!


「た、試す訳ないでしょうがッ!
ッ‥ンぁッ!!ちょっ、話し‥‥聞け、〜〜くッ、ァ!」



(だからやる事なす事早過ぎだって!)



この前で散々懲りたのにッ!
この人といれば、良からぬ事に巻き込まれると‥‥
なのになんで


胸、嘗められてんだよッ!


先輩の頭を離そうと押しても、俺の力以上の力で腕と肩を壁に押さえ付けられてしまう

そして、胸に顔を寄せた和泉先輩に


「ん、止め‥‥ッァ!」



あろう事か胸の突起を噛まれて
おもいっきり変な声を出してしまった



「どんな感じだ、藤代?」

「ど、どんな感じって‥」



はっきり言って
認めたくないけど


(感じてしまってますよッ!!あんたのせいでッ!)



「具体的に言え。気持ちいいのか?
嘗められるのと噛まれるのと、どっちが好きだ?」

「い、言える訳ないでしょーがッ!」

「なに?きちんと答えろ、藤代。
データが取れない上に次に進めないだろ!」



嫌な言葉を聞いた
こんなのをデータに取ってどうする‥‥
それよりも、次って‥‥


呆れて物も言えないそんな俺から、スッと先輩が離れた


開放された安堵感とガサゴソ机の上を漁り出した和泉先輩に嫌な予感が走る

そして


「この『ポイント攻め特集』をやらなくてどうする!」



和泉先輩が印籠の様に掲げたて見せた本を捉えた瞬間

俺は走っていた
準備室から飛び出しても走り続けた


以前見たマンガの表紙とほぼ一緒
男同士がイチャつく‥‥というかエロ満載を前面に出した

マンガッ!!


(あの人‥‥残念すぎィーーッ!)



俺は、心の中で叫ばずにはいられませんでした


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あきゅろす。
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