知者は惑わず勇者は懼れず
2
「あの、志摩先輩?」
「ん?どったの?」
俺の呼びかけに今だに俺の肩を組んでいる志摩先輩の顔が、さらに近付く
こんなに近くで見ても、アップに耐えられるのはカッコイイからなんだろう
「小さい頃から和泉先輩は、あ〜なんですか?
何て言うか、何でも興味を持つような‥」
「子だったか?」
「ええ、そうです」
俺を言葉を引き継いで志摩先輩が、思っていた事を代弁してくれる
あの奇人、奇行っぷりはいつからなのか?
とゆーか、もしかするとあれはわざとかも知れないし!
そー思わずには、俺に降り懸かった災難が説明つかない
「うーーん?ガキんちょの時どうだったっけなぁ?
ユウはマジメで一直線だし、本ばっか読んでたから、よく俺が引っ張って遊びに連れてったのは覚えてるんだけど。」
マジメかぁ‥
真剣に本を読む姿は想像出来るな
「あっ、そうそう!
俺がさぁ〜、そんな難っくるしい文字ばっかの本なんか見るなって、代わりにマンガ渡したらめちゃくちゃ喜んでさぁ!」
へぇ〜〜
和泉先輩も歳相応の子供だったんだ
ちょっと意外だ‥‥
「そしたら『人は雷に打たれると、ガイコツみたいに骨だけのシルエットが浮かぶのか?』とか真剣に言ってよ!」
うん、うん‥‥
ん、んん!?
「んで、タケちゃんに金属バット持たせて外に立たせたりして、楽しかったなぁ〜!
で、そん時からユウもマンガにすっげー興味持ってさ!」
まさか‥‥
「俺も絵描くの好きだし、それをユウに見てもらってー‥」
まさか、あんたが‥‥
「ユウがタケちゃんに仕掛けてよ!
さすがに、雷の件は親にバレてすっげー叱られたっけ!」
「あんたが元凶かーーッ!!」
またまた叫ばずにはいられませんでした
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