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知者は惑わず勇者は懼れず
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コク‥コクッ


と、喉が鳴る音が下から聞こえるのは気のせいですか?



「ユウ‥ど、どどどんな感じだ?甘いか?苦いか?」

「飲めなくはないが、旨くもないものだな」

「おいおいッ、そこは『蜜の様に甘く濃厚』ぐらいに言ってみろよ〜」


こんな会話が聞こえるのは、聴覚が馬鹿になったのかもしれない

きっと、同姓に銜えられた上に、強制的にイかされたショックと衝撃で‥‥


(帰りたい‥‥)


独特のグッタリとした倦怠感


(帰って寝たい‥‥)



何でこんな目に‥
俺が何したっていうんですか!



「先輩もう、どいて下さい‥‥
あと手錠も取ってくー‥」

「メイ、お前の言った通りにやったら、この絵の様になったぞ!
さすがこの本を描いただけあるな」


だから何が本の通り‥‥って


‥‥‥え!?



「あったりまえだろ!
俺の妄想は並大抵じゃねぇんだって!
いかにしてエロい構図を産むかが俺の生き甲斐なんだからよ!
でもやっぱ、良いな良いなユウ、この構図マジ良いな!
制服乱れての、グッタリ感!
泣き顔、朱らむ頬に荒い息‥
ヤベェッ!次回作、マジにこの激マブくんをモデルにしよッ!」



あ‥‥
あぁ‥‥


「あんた、何てもん描いてんだーーッ!」

「激マブくんも興味あんの?ならなら、次回作も期待しててよ!
今度のは、もっと激しいの描くからさ!」

「それは試しがいあるな、藤代」



何だこの人達は!
火の粉がこっちまで飛び火する前に、手を切ろう
そう切に思った俺に‥‥


「なぁなぁ、激マブくん
これ良く撮れてしょッ!」

「なんだメイ。もっと近くで撮れば良いものを」

「抜かりはない!カメラもビデオもバッチリさ!」



見せられたものは

デジカメ、携帯、ビデオカメラ、ボイスレコーダー


「あ、あぁあああ‥‥
あんたら、何撮ってるんですかァアアアッ!」


醜態を晒した俺の記録映像がバッチリと収められた
撮る事に長けた家電機器類



「大丈夫大丈夫!変な事に使わねぇし、なぁユウ?」

「ああ、俺達が見るぐらいだ」

「ーーーーーッ!!!」



そんな物を残してこの部活を辞めるなんて


俺には到底無理でした


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あきゅろす。
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