知者は惑わず勇者は懼れず
4
「お前話し聞けーーッ!」
「ヤダッ!兄ちゃんはあのメガネの兄ちゃん好きなんだろ!
俺だって兄ちゃんの事好きだもんっ!」
うわわわ、涙出てくるんだけどッ!
こんなに素直に可愛い事を言ってくれるなんて、兄貴冥利に尽きる!
でも‥‥
「あのな知影‥‥
俺さ、今日先輩に告白され‥て‥?
あ‥‥
あれ?俺‥‥」
今、一瞬パッと頭に過ぎった疑問
告白と言う命令を受けてテンパってる所にキスされて恥ずかしさの余り
家に走って帰って来た
来たって‥‥事は?
「って、俺‥‥返事してないッ!!」
「兄ちゃん?」
ど、どうしようッ!
いや、それよりも先輩と両想いで
恋人に、なれ‥‥って
「こッ、恋‥‥人?ッ、ツ〜〜〜っ」
顔めちゃくちゃ熱ッ!
思い出すだけでこんなにも心臓が痛いって分かる
男同士だけど
実験オタクで嫌な事するけど
それでも俺は‥‥
「知影、俺‥やっぱり和泉先輩が好きなんだ」
「兄ちゃん‥‥」
「だからゴメンな」
間近にあった顔が変わった
明らかにシュンと落ち込んだ知影
俺の言いたい事をやっと理解してくれた知影が可愛いくて、元気が出る様にその坊主頭を撫でて上げる
ゴメン、と何度も呟いて‥
いたはずの俺の言葉は
「ンッ、く、ァアッ!」
突然、喘ぎ声に変わってしまった
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!