[携帯モード] [URL送信]

知者は惑わず勇者は懼れず
6
「え?ぇえ゙え゙ッ!!?」

「今思えばここでお前を見た時からだったのかも知れん。
藤代のそのガタイの良さも、素直に従う従順なとこも‥‥惹かれてたんだな」

「そうですか‥‥って、なァアあッ!?」

「ちょっと待っていろ」

「あ、あのッ!」


えっ?え!?
何だ何だこの展開ッ!!
整理ッ、そうだ整理しようッ!
和泉先輩に怪しい物を飲まされて、成り行きでコクっちゃって、そんでもって先輩もって俺に
んで今は‥‥


「ふむ‥‥成る程そうか」


また先輩読書中


(う、嬉しいけど俺‥どうすればッ)


一人でワタワタしていていれば、やっと和泉先輩が本から顔を外し、俺に向けきた
その顔は‥‥



「俺と藤代、俺達はお互いそれぞれ相手に対し好意を抱いている!
これは合っているな?」

「い、いぃいいッ!!」



それを改めて言うかッ!
と、ゆーかめちゃくちゃ恥ずかしいんですけど!
先輩の嬉しそうな顔も何だか怖いし!



「‥‥そ、そうですね」

「と、言う事は俺達は恋人と言うものになれるのか?」

「えッ!!こ!恋人って‥‥
恋人ですかァアアアアッ!
あ、あのッお、俺と先輩が〜〜〜ッいや、それはッぉお男同士だし、でもなれるなれないと言えば‥‥
なななな、なれると‥‥思います、けどッ!」

「そうか!なれるのか!」


変だろこの会話!!
男同士で恋人うんぬんとか
それにこの感じ、とても良くない事が起きそうな‥



「藤代!恋人同士は心身共に深い繋がりを持てる特別な存在らしい。
そんな仲なら何でもしても平気だと思わんか!
今までは出来ない事も色々と試せるぞ!」

「は?はぁあああッ!?」



予想が確信に変わる

また実験とか言い出しかねないッ!
それも今まで以上の事をやりそうで、こ、怖いッ!


このキラキラした目
いつもの真面目な顔付きはさっきから有り得ないぐらいに笑顔で、そしてテンションやたら高ッ!!



「藤代」

「あ、あの!?ぃい和泉‥先輩?」



ジリジリと近づいて来た先輩は俺との距離を確実に詰めてくる


「せ、先ぱ!?」


後ずさればドンッと、背には壁
腕をしっかりと掴まれて真っ正面に笑顔の先輩が



「俺の恋人になれ」

「こッ!恋、びとって‥ん、んーーッ」



命令口調で

唇に柔らかいものが触れたのは

その直後でした


[*前へ]

6/6ページ

[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!