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知者は惑わず勇者は懼れず
5
「あ‥す、スイマセンぃい和泉先輩ッ!」

「やはりこの本と合致する。すべてが当て嵌まる」


弾みで抱き着いてしまった恥ずかしさと、申し訳なさ
急いで離れようとしたのに、今だに和泉先輩は腕を掴み離してくれようとはしてくれない
それよりも、何かまた確認している
手に本を持って‥‥



「『気が付くとある特定の人を目で追っている事がある?
ふむ、Yes』」

「へ?」

「『触れたくて我慢が利かなくなる』
これも、Yes」

「ぁ、あの先輩?」

「『近くにいるだけで幸せだ』
考えるまでもない
‥‥そんなあなたは」



どこかで見た事がある本
その本をペラペラとめくり


「恋」


和泉先輩が一言呟いた


「へ?」

「恋‥‥‥ふ、藤代ッ!?恋だッ!」

「うわッ!!だ、だからな、何ですかッ!?」


また俺の両肩を掴み詰め寄ってくる
その迫力は中々のもので

でも、先輩の目はキラキラ輝いているのを見ると、新しい発見でもしたようなそんな感じ


(何だ、どうしたんだ?)



「そうかこれが恋と言うものなのか‥‥
ふむ、悪い気はしない。
心拍数が平常時よりも高いが、それはお前に触れているからだな
いつも以上に体が熱く感じているのも頷ける」

「‥と、先輩なに言ってー‥?」


俺がそう聞くと
先輩の口の端が徐々に上がり綺麗な弧を造る
そして



「藤代、俺はお前に恋をしているようだ」



笑顔で衝撃的告白をやってのけた


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