[携帯モード] [URL送信]

知者は惑わず勇者は懼れず
4
(何にも言わない‥‥)


暫くしても、シーン‥‥と、静寂さだけが教室に音をなしている


きっと気持ち悪るがってるんだ
可愛さのカケラも無いデカい男が、突然告白して来たら

普通は引くし


今、顔を上げたらきっと先輩もすっごい困った表情で見ているに違いない‥



「‥‥ってあれ、いない?先輩?」


意を決して顔を上げれば、すぐ傍にいた先輩は少し離れた所にある本棚から本を取り出して

真剣に読書中でした



って、何してんだ!?
一応俺‥‥告白したんですけど?
そんな俺を放置して読書って!?



「風邪では無いのか?」



ぅ、おいッ!一体なに調べてるんですか!!



「あ、あの‥‥ぃ、和泉先輩?」

「風邪では無いなら何なんだ?
まさか、心臓病か?
脈が速い、動悸が激しい上この高揚感‥
熱は‥‥微熱だな
何なんだこの高ぶる鼓動は?」

「えーー‥と、先輩?」

「藤代、俺は病気かも知れん。
こんな風に好きだと言われる事は何度かあったが、初めての経験だ」


他に参考になる物は‥‥
と、そう呟いてまた別の本を読みあさる先輩


あ‥‥、そっか分かった
分かってしまった‥
男に告白されて気持ち悪い
だから和泉先輩、拒絶反応が出てるんだ

ヤバ‥‥



「す、すいません先輩‥‥
へ、変な事言って俺‥あっ、あのッ!
‥‥さっきのは‥‥そのーーッわ、忘れてください!
俺、帰ります‥‥」



泣きそう‥
和泉先輩にまで嫌われたら俺‥‥


「藤代待てッ!」

「えッ!?」


再度教室から出て行こうとした俺の腕を、後ろから勢い良く引っ張る力
その反動でバランスを崩した俺は先輩に‥‥


(うぁッ!!?)


抱き着いているしッ!!


[*前へ][次へ#]

4/6ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!