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知者は惑わず勇者は懼れず
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「先輩‥‥まさかとは思いますが、こっちのビーカーには入れてませんよね?
怪しいものとか入れてませんよね?」


いくら先輩だって、そこかしこに変なモンを混ぜる馬鹿ではないはずだ



「ああ、大丈夫だ。すぐ効く自白剤しか入れていない」

「そうですか、良かった‥‥
って、全然良くない!寧ろ何なんですかその自白剤って!!」

「口を割ろうとしない犯罪者に薬を盛って、自分の罪を認めさせる捜査の一種」

「誰が犯罪者だッ!」



また変な本を読んで感化されてるよこの人!
どうせ、しょうもない物だと思うけど
前もちゃんとした物は出来なかったし、今回もまた‥‥



「藤代、今日のお前のパンツは何色だ?」

「『紺色に水玉模様です』」


‥‥だからと言って、俺を実験台にするのはおかしいし‥



「ほぉ〜水玉か。気に入っているのか?」

「『知影とお揃いなんで気に入ってます』」



それにもうちょっと、ためになる様な実験をするなら、まだしもー‥‥



「って!!!な、な、何だ!?今、勝手に口がッ!!」

「明確に質問の回答を述べている‥‥と。
コーヒーを飲んでから約1分。
被験者は自らの意思では無く、無意識ながらはっきりと的確に反応を見せている事から、中々な効き目、有り‥」

「有りじゃないですってッ!!」

「藤代、成功だな!!」

「あんた、なに嬉しそうな顔してるんですかァアアアッ!」



罪を犯してなくても自白剤を飲まされるなんて、理不尽過ぎますって!


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