知者は惑わず勇者は懼れず
2
「先輩‥‥まさかとは思いますが、こっちのビーカーには入れてませんよね?
怪しいものとか入れてませんよね?」
いくら先輩だって、そこかしこに変なモンを混ぜる馬鹿ではないはずだ
「ああ、大丈夫だ。すぐ効く自白剤しか入れていない」
「そうですか、良かった‥‥
って、全然良くない!寧ろ何なんですかその自白剤って!!」
「口を割ろうとしない犯罪者に薬を盛って、自分の罪を認めさせる捜査の一種」
「誰が犯罪者だッ!」
また変な本を読んで感化されてるよこの人!
どうせ、しょうもない物だと思うけど
前もちゃんとした物は出来なかったし、今回もまた‥‥
「藤代、今日のお前のパンツは何色だ?」
「『紺色に水玉模様です』」
‥‥だからと言って、俺を実験台にするのはおかしいし‥
「ほぉ〜水玉か。気に入っているのか?」
「『知影とお揃いなんで気に入ってます』」
それにもうちょっと、ためになる様な実験をするなら、まだしもー‥‥
「って!!!な、な、何だ!?今、勝手に口がッ!!」
「明確に質問の回答を述べている‥‥と。
コーヒーを飲んでから約1分。
被験者は自らの意思では無く、無意識ながらはっきりと的確に反応を見せている事から、中々な効き目、有り‥」
「有りじゃないですってッ!!」
「藤代、成功だな!!」
「あんた、なに嬉しそうな顔してるんですかァアアアッ!」
罪を犯してなくても自白剤を飲まされるなんて、理不尽過ぎますって!
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