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知者は惑わず勇者は懼れず
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ん?この香り‥‥


準備室に入った途端、芳しい香りが鼻孔に広がった


「あ、やっぱりコーヒーですか?」

「藤代来たか。今入れた所だ、飲むか?」

「はい、ありがとうございます!」



うわッまた、ビーカー‥‥
和泉先輩から渡された容器は、案の定いつものビーカー

一瞬、大丈夫かな?と思ってはみたものの一回も二回もおんなじ事だし美味しいコーヒー飲めるから‥‥
と、口を付ける所で


ビーカーから視線を上げてみた



「和泉先輩‥‥あの、何ですか?」

「気にするな。さっさと飲め」

「き、気にしますよ!」



ストップウォッチを手に持ち、何かを書き込むか分からないボードを構えている先輩を見てしまったら

飲むのを躊躇するのは当たり前だろ!



「また何かを入れたんじゃないですか?」

「惚れ薬しか入れてない」

「おもっきり入れてるんじゃないですかッ!!」



まだ諦めて無かったかこの人は‥‥


「もういいです、自分で入れますから」

「おい、藤代」


先輩から渡されたビーカーは置いといて、新たに近くにあったビーカーにコーヒーを注ぐ


やっぱりいい香りだな‥‥

漆黒の液体が苦味のある風味を漂わせその湯気立つビーカーに改めて口を付けた


「美味しい!」


夢中になって飲んでいると

デジャブ‥‥?



「10秒経過‥‥」


何故だろう?

和泉先輩がまたしてもストップウォッチ片手に秒カウント中でした


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あきゅろす。
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