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知者は惑わず勇者は懼れず
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「辻、先輩?‥‥辻先輩ィイイッ!!」

「どわッ!ぉおい、藤代!?テメェ急に、あ‥おいッ!
だだだ抱き着くんじゃねェエエッ!」


突然現れた救世主に、助けを求める民衆の気持ちが今ここ屋上で理解

引きはがされ顔を朱く染めた先輩を前に、改めて俺は正座をなし



「辻先輩‥‥相談、聞いて下さい」


口を開いた



「また、なんかあったのかよ?」

「はい‥‥あの〜、辻先輩は‥
自分の出した答えが、周りから見ても、自分自身考えてみても‥‥
普通とはちょっと違う常識と掛け離れた答えだったらどうしますか?」

「と‥‥唐突だな、そりゃ〜」



やっぱり‥‥困ってるよな
突然こんな事言われれば、誰だって困る事ぐらい分かる
分かってはいるんだけど‥‥



「す、スイマセン‥‥」

「あ゙あ゙ーーーッ、あんまり難しい事は分らねぇけどよ!
普通って何だ?他の奴らと合わせねぇといけねぇ事なのか、それは?
イイんじゃねーか、ちょっとぐらい違うぐれぇ‥‥」


テメェの周りには、ちょっとじゃ追い付かねぇ変人がいるじゃねーか?

付け足した様にそう言って、慰めてくれるのが分かる
そして、怖そうな顔を俺に向けて‥



「テメェ自身悩んで出した答えなんだろーよ?
信じてみろよテメェを」


しっかりとした言葉で、力強く俺の背中を押してくれた


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