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知者は惑わず勇者は懼れず
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「えー、と‥‥
『気が付くとある特定の人を目で追っている事がある?
Yesか、Noか?』」


矢印の向かっている線を指先でなぞり、続いての質問に目を通す


「『近くにいるだけで幸せだ』」


ツツッー‥と、矢印がさらに射す所を指で辿れば見えてきた診断



「『ズバリあなたは恋をしています。今、頭の中に浮かんだその人こそが意中の相手ですね!
さぁ、勇気を持って告白‥‥』〜〜ッて!!
う、うわぁあああッ!!」



やっぱり、やっぱりーーッ!!
何回やっても辿った先はおんなじって、俺‥‥俺ッ!
本気で和泉先輩に、恋‥しちゃって、ッ!


「こ、恋ってーーッ!!」


勇気を出して買った本の恋診断で
もしかしたら何か気の迷いとか
万が一思い込みでとか‥‥
そんな事がハッキリすればいいと思った
思ったのに‥‥

まさかのズバリ恋確定ってッ!?
相手は男だぞ!
なのにこの本は告白まで薦めるとか‥‥


「告白‥‥」


イヤイヤイヤ、いくらなんでも、それはない!
和泉先輩は変わってて実験オタクだし、変な事ばっかりしでかすし‥‥でも

でも、だけどもッ!
きちんと俺を見てくれて案外優しいし、先輩と一緒にいるとホッとする‥‥
あっ!それに真剣な目で本を読んでる姿とか、結構カッコイー‥‥



(って、乙女かぁああッ!!)



だから、それ以前に相手は男だろッ!

女の子にも告白なんてないのに、それをすっ飛ばして男にとか‥‥



「はぁあ〜〜」


深いため息と一緒にこのモヤモヤも出ていけばいいのに
そんな考えをしている時



「藤代?お前、屋上で何してんだ?」


頭上からよく知った声が降っておりてきた


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