番外編
2
「教科書出せ」
「え、マジ!?」
「当たり前だろーがっ!さっき弘子さんにも連絡入れといたからな!ウチの親は出張で居ねぇし、勉強するにはもってこいだろ?」
「嘘っ、母さんにも?なに余計な事……」
「ぁあ?今、なんつった?」
「い、いえ!!な、な、なんにもっ」
こ、ここ、恐いっつーの!
とは言え、阿修羅の如く睨みを効かせた正宗に逆らえないのも事実
仕方なしに教科書を出し正宗の部屋にて勉強会となった訳で…
そして……
「何でその答えになるんだぁああ!さっき教えた式の応用だろーが!」
「ヒッ!」
勉強漬けで具合が悪い……
教えてくれても、集中力は既に切れて、いくら言われても頭に入って来なくなっている
帰ってから勉強、晩ご飯を軽く食べてまた勉強
もう夜11時だぞ、おい!
ふぁ〜
と、アクビしている所を完全に見られて
怒られるっ、と身構えた俺に
「ヒロ、今からテストを出す。
もう遅いし明日も学校だからよ。
復習かねてのテストで今日はここまでだな」
と、突然悪魔が嬉しい事を囁いた
「え、え?本当?」
「ああ。お前、これ以上やっても駄目だろーが」
よっしゃー!!
正宗もたまには良い判断するじゃん!
疲れてたけど、その疲れが一気に吹っ飛ぶぐらいに嬉しかった俺に
「ただし……」
ボソッと低い声が耳に届いて
「全問不正解だったら……
分かるよな?」
整った顔が冷ややかに微笑むその笑顔にピシリッと体が固まった
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