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番外編
2
「ちょっ!ま、正宗!?」

「何だ?」

「ああぁああのさッ、か、かか、顔‥近いんだけど‥‥
みみみ‥皆見てる、し‥」



俺の発した声がドモっているのも無理はない
だって、不特定多数の真剣な眼差しが‥‥


正宗の息が掛かる程、顔を近くにさせた俺の状態をガン見してりゃあ


ソワソワ落ち着かないのは仕方ないだろ!



「ふーーん‥‥動くと針ぶっ刺すぞ?」

「ひ、ヒィッ!!!」

「そうだな、こんなに顔寄せてるんだから‥‥
キスでもしてみるか、ヒロ?」

「〜〜〜ッ!!!」



あ、悪魔ァァアアアアッ!!



俺の顔を見てクククッと笑いながら
チクチク慣れた手つきでボタンを縫い付ける正宗

そんな恐ろしい事を小声で呟いてるとは


これまた皆、恐ろしい程に気付いてはいないんだ




「ヒロ、直ったぞ」

「へ?」

「今度はガッチリ縫い付けたから、取れねーからな」



ものの2、3分での作業
視線を下げて見ると、正宗の言った通りに
しっかりと縫い付けられたボタンが見えた


(すげぇ!)


俺、Yシャツ着たまんまだったから
やり辛かったのに‥



「あ‥‥ま、正宗ッ!」

「ん?」


早くもまた女の子に囲まれた正宗に声を掛けるのは
なんだか忍びないけど‥



「あ、りがと‥‥」


「お前‥‥ッ
お礼貰う程たいした事してないよ、ヒロ」



そんなセリフにまた女子達が、黄色い悲鳴を上げて


正宗の人気はうなぎ登り


そして、俺はというと


『カッコイイ梅田くんに顔寄せて、己は何してくれとんじゃッ!』


女の子達から厳しい視線に暫くの間



針のムシロ状態にされたのだった





■■■■■■■■■■■■■


その後の授業にて‥‥
おまけ→


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あきゅろす。
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