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番外編
小話その1『悪夢再び』
正宗くんと義弘くん

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『悪夢再び』




いつも通りに当てられまくった4時間目の授業が終わり
ホッと気を緩めた俺の隣から‥



「ヒロ、首んとこのボタン‥‥
取れかかってるぞ」



相変わらずのハーレム状態、女子に囲まれていた正宗が話しかけて来た


そして、その言葉が俺にとって


悪夢の始まりだった



「あっ、本当だ」



正宗が指差したYシャツの襟首
そこのボタンがプラーンと垂れ下がり、今にも取れそう



(いいや!引っ張っちゃえ)


そう思ってボタンを引きちぎろうとした俺に‥‥


「直してやるよ、ヒロ」


優しい言葉が降ってきた



「へ?」

「どうせお前なら、ボタン無くすし
縫い付けるなら、今も後も一緒だろ?」


まぁ‥正宗が言うように実際その通りだけど‥‥
何だろ?あの正宗が‥


優しい‥‥


「で、でも‥‥」

「ん?なんだ、ヒロ?」



俺に向けた綺麗すぎるその微笑みが‥‥


やっぱ‥‥
こ、恐ェエエエエッ!!


ななななんだろこの寒気は!
何かよく分かんないけど‥


断っておこう!!



「ほほほらッ!は、はは‥は針と糸が無‥‥」

「誰か裁縫セット持ってる?」



俺がまだ、しゃべってる途中だと言うのに
周りに話しかけた正宗は、キャーキャーと興奮した女の子達から‥‥


「で?ヒロ‥‥針も糸もあるけど?」



難無く手に入れる姿を見て


フッと一瞬気が遠くなってしまった


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あきゅろす。
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