番外編
2
「はぁ‥とにかくここから早く出るぞ!」
ジリジリと熱っ苦しく纏わり付く、ヤジ馬丸出しの視線
見てる
見てやがる‥‥
腹立つ好奇心で遠慮もねぇ!
「おい乃木ッ!」
「それは無理だな」
「は、ハァアアア!?
て、テメェ分かってんのかこの状況!!
明らかに周りから浮いてんだっつってんだゴラァ!」
「ハハハッ、神谷。それを何と言うか知ってるか?」
「な、何だって言うんだ?」
コーヒーを一口飲んだ男前の面がニッコリと笑う
そして一言
「自意識過剰!」
ブチッと俺の血管がキれた
「乃木テメェ‥ー」
「神谷ッ!!」
俺の罵声と被さる様に乃木のよく透る声が重なる
鋭い目でもってコイツにジッと見つめられると
ザワザワ落ち着かねぇんだよ!!
「な、何だ!ヤんのかぐぉらァア!!」
「手を付けた皿は食えッ!」
「は?」
「まだ食べかけだろ、それ?」
乃木の指差す物は
勝手にコイツが頼みやがった俺の前に置かれたケーキ
そして、頑固一徹な乃木は、俺が食べきるまでここを出ようとはしねぇのも丸分かりで‥‥
「チッ‥‥食えばいいんだろーがッ!!」
仕方なしに俺はフォークを掴み
ケーキにぶっ刺した
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