番外編
2
「よければ抱いてみませんか?」
俺の心を読んだのか、店員さんが絶妙なタイミングで声を掛けてくる
「いいんすか?」
もちろんこれを逃す手はないだろ!
渡された子犬を腕の中に抱かせてもらい、改めてその小ささと温かさが伝わってくる
(うわわっ、柔らけぇ!
すっげぇ小せーし、この肉球プニプニでマジ気持ちいいー)
頭を撫でてやれば目を細めて、指に擦り付けてくる子犬
(も〜〜堪んねぇほど可愛いんだけど!
ヤバッ、連れて帰りてぇ!)
そんな時、子犬にメロメロな俺の後ろから
「ネギさん、俺も抱いていい〜〜?」
今しがたまで、その存在をズッポリと忘れていた人物、鴨居が現れた
(クソッ、そーいやコイツいやがった)
本当は手放したくないのが本心
でも、そこはグッと堪えるのが大人の対応
「‥あぁ、ほらよ」
仕方なく後ろにいる鴨居に向き直ろうとすれば、俺の両側から腕が伸びて来て
ギュッと『俺』を抱きしめて来た
(な、何ィィィィィィィ!)
「なっ!お、おま!何しやがる!」
「何って、嫌がらせ?」
「〜〜ッこの野郎!離せや!!」
子犬を抱っこしていて両手は塞がっているし、蹴りたくても背後から抱き着かれている為、攻撃不可能なこの状況
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