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犬と猿
5
「お前‥‥」

「な、何だよ!」

「帰んねーの?」



あっ‥‥まったくだ


部活が終わった猿倉が、カバンを取りに教室に来たらしい
そんな時間だという事は


(うぇもう外暗ッ)


窓の外は薄暗くなって来ている


「今、帰ろーとしてたんだよッ!」


捨て台詞気味に急いでカバンを掴み歩き始めたら
ギョッとした



「ついてくんなッ!」

「はぁあ?靴箱一緒だから仕方ねーだろ?」


なぜか隣に猿が、そして一緒に歩き出す始末
仕方ないっちゃー仕方ないけど、靴箱までの我慢と自分に言い聞かせておく
おいたのに‥‥



「だから、何でついてくんだって!」

「だから、仕方ねぇだろーがッ!俺ん家こっちだし!」

「なにッ!?」



靴を履き変えて、学校から出てもストーカーばりについて来る猿がまさかの
同じ方向


(最悪最悪最悪だッ!)


俺のちょっと後ろを歩く猿倉
話せる位置だけど、だからと言って仲良くなんか話す事も無いし
なに話せばいいかも解んない


(どっか店でも入って時間潰すか)


と、そんな考えが浮かんだ時
トコトコと小さいダックスが目の前に


「うわわッ!めちゃくちゃ可愛いっ!!」


現れた


「触っていいっすか!」


ちょうど散歩中だったらみたいで、快く
『どうぞ!』と、飼い主さんが答えてくれる


いくつなんですか?
お名前は?
そんな話しで飼い主さんと和気あいあいとしゃべっていれば


「犬井」


忘れていた存在が急に話し掛けて来た


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あきゅろす。
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