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犬と猿
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「そう言えば‥‥」


と、何かを思い出した羽鳥が話しを切り出してきたのは
昼休み、ご飯を食べ終わってマッタリしている時だった



「イヌイから好きな子とか聞かれたの、初めてだったな」

「ぅぐッ、え゙゙ッ!!?」


突然、衝撃発言を言ってのける羽鳥に、食後のデザートのポッキーが喉に刺さりそうになる



「お、俺ッ、んな事聞いた!?」

「うん!ほら、シシクラに好きな子っているかって?」


あ‥
あれか‥‥

2日前の嫌な記憶がごちゃまぜに浮上してくる

猿倉が犬嫌いと言うのは、マジ笑えたけど
その事を出せば、結局は俺自身
身を滅ぼしそう‥‥



「でもさ、オレ達あんまりそーいった話ししなかったから
ちょっとビックリした」


えへへッ
と、笑う羽鳥


(ズッキューーンッ!!
お、襲っちゃって良いっすか?)


こんなに可愛い子が近くに居て、誰が可愛いとか、どの子が好きとか出てくる訳がない

どっちかってーと


『俺はお前が好きなんだ!』


とは言いたくなるけど。
俺がそう言ったら羽鳥、どんな反応するんだろ?


ゴキュッ‥‥


と、喉が鳴る
今だったら自然に‥


「なぁ、は‥羽鳥?」

「ん?」

「俺、‥‥好‥」

「なに、イヌイ?」


好きだ!!って、言うんだ俺!
ずっとずっと前から俺はお前が‥


「好ー‥‥い、いや!はっ、羽鳥は‥その、すッ‥好きな奴いんの?」


あぁあーーーッ俺、ダメな子!!
い、言えねーーッ!
言えねぇよ‥
手だって握れないのに、告白なんて大それた事が出来る訳ない


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あきゅろす。
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