犬と猿
6
しまったッ!!
押し込まれた所は
保健室でもないここは、すでにコイツとお馴染みになった使われてない教室
「だから言ったろ?」
「な、なななな何がー‥」
また性懲りもなくジリジリと迫ってくるバカに強く出れないのは
土曜日の二の舞になるのが嫌だから
トンッと背中に壁が当たったのを感じた時には
顔の横に猿の両手が俺を封鎖していた
「あーゆー事出来るぐらいには‥‥
お前の事が好きだって」
「すすすす好きッ!?」
「で?お前は?」
またコイツ『好き』って言った!
何なんだよ、一体!
俺が好きなのは羽鳥だったのに
「俺の事、好きか?それとも嫌い?」
俺に喧嘩売るバカとしか思ってなかったのに
邪魔ばっかする腹立つ野郎なのに
「好‥‥」
カッコイイ割りにエロいはセクラハ野郎だし
イヌ嫌いだは、甘いのダメダメで
嫌いな奴なのに、いっつも近くに居て
失恋した時も傍に居るし
俺は、俺はコイツの事なんか‥‥
「好き、じゃねぇー‥‥」
やっと言葉にした声も震えるほどに
心臓が破けそう
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