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犬と猿
2
「あぁ、疲れたぁ゙」



ベッドにタイブして目を閉じる
フカフカの布団と、温まった体が気持ち良くてどんどんベッドに体が沈んでいく


今日は色々ありすぎて、その疲れが今溢れ出てきた感じ


ボーリングして
猿にドエロい事されて
シャワー浴びたら眠くなって‥‥

フワフワまどろみ始めた時


ギューーッ!!



(へ!?)


体が締め付けられる感覚が襲い掛かった
目を閉じると、さらにハッキリ解る

暖かいものが体、全部覆いかぶさって包む感じ
ゾワゾワと背筋にむず痒い様な、でも優しさも混じり安心する
堪らないその感触が‥‥



(感触が消えねぇ!)


何だよこの感じ!
抱きしめられた時の‥‥あの
力強く
猿倉に


『好きだ』って言われた時の‥‥



(ッ!!!!!
何だよ好きって訳分かんねェエエっ!)


いつも喧嘩腰で突っ掛かってくるばっかりだったろーがッ!
今日のボーリングだって仕掛けて来たのアイツだし
結局、羽鳥達の事ほっぽって二人で対決紛いの事やってさッ



『羽鳥は?』


突然、猿倉の声がどこからともなく降って湧く



『何でそこに羽鳥が出てくるんだよッ!
関係ねぇだろ!』



そして、自分の声が頭の中で反芻する
猿倉の笑顔と一緒に。



関係ない訳ない
関係なくないだろ‥‥

羽鳥の事が好きで、彼女と一緒に居る姿が見るのが嫌で
だから今日断ろうとしていたのに‥‥

それなのに
気にならないぐらい、俺は何に夢中になってた?


猿に乗せられて、目一杯ボーリングやって



(ブッちゃけ楽しかった‥)



いつも俺がヘコんでる時に、嫌なタイミングで現れては
もっと嫌な事したり、訳分んない事言ったりして

気を紛らわしてくれる様に‥‥


偶然、だよな?



「好き、って何だよ‥‥」



考える力がゆっくりと闇に侵食され、出て来ない答えを放棄した俺は

瞼を閉じた


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