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犬と猿
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「あーー、楽しかった!」

「楽しかったですね!」



満足感いっぱいの羽鳥達と裏腹に、俺はさっきの勝負にすべてを置いてきたと言っても言いかも知れない


それぐらいに、負けた脱力感でいっぱい
猿倉のせいでッ



「羽鳥、お前はもう大丈夫だな?」

「あ‥うん!ありがとうシシクラ、イヌイ」



ん?何だ?

そんな俺をのけ者にして、羽鳥と猿倉が顔を見合わせ、意思の疎通をしている



「なぁ、羽とー‥」

「それじゃ、俺達は帰るな」

「えッ!?」



『達』?今、『達』って言ったコイツ
ッて、事は‥‥



「お、うぉーーいッ!テメェ、なに引っ張ってるんだこのエロ猿ッ!」



奴の行動は速かった
俺の首にラリアットする様に腕を巻き付かせ


ズルズルと体ごと引っ張って行かれる



「負け犬くんは、俺の言う事聞くんだろ?」

「ま、負け犬!?ふっ、ざけんなッ!
テメェッ、たった3ピン差じゃねーか!
それで勝った気になってんじゃねェエエエエッ!」

「負け犬の遠吠え?」



うわぁっ!ムッチャッ腹立つ!
それよりも‥



「って、おい!どこ行くんだって!」

「俺ん家」

「は、はぁあああッ!?
な、何で、何でだ?
離せバカッ、バーカバーーーカッ!」




俺のバカ攻撃は奴に1ダメージも与えれず
気がつけば遥か彼方、小さくなった羽鳥達に伸ばした手も虚しく空を切った


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あきゅろす。
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