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犬と猿
3
睨み合う俺達を止めたのはモチロン羽鳥
引きずられてボーリング場へ連れて来られたから

全くもって乗り気じゃない‥‥
乗り気‥‥



「ヨッ、ッシャーーーッッ!」


ピンの手前でうまく孤を描き曲がった球はドンピシャのド真ん中


ガコーーっンッ!!


と、10本のピンを弾き飛ばしイイ音を響かせた



「出だし好調、絶好チョーーッ!
はんッ、俺の実力に掛かればこんなモンよ!つーか、猿ッ!」

「あ?」

「今の内に土下座の練習しとけば?」



後ろを振り向けば、自分の選んだ球がしっくりこないのか、何度も指のはまり具合を確かめている



「なに、犬?お前が勝てば、土下座希望か?」

「ああ!額で床掃除出来るぐれぇ、擦り付けろよ!」

「ふん、じゃあ‥‥」



自分の番が来て立ち上がった猿は、手首足首を回し準備運動をする念の入れよう


「俺が勝ったら‥‥」


そして、俺とすれ違う時‥



「お前、俺の言う事なんでも聞けよ」






隣のレーンでは、羽鳥と彼女がほのぼのボーリングをする中
俺達はとゆーと、罵声と高笑いに雄叫びと
白熱した勝負を繰り広げた
そして




「で?」



ディスプレイに表示された数字は
155対152の僅差

「あれ?
俺に土下座させるんじゃなかったのか
なぁ犬?」


足を組み踏ん反り返る様にイスに座っている猿倉に


(ボーリングの球投げ付けてやろーか!)



おもわず右手も拳にするほどだ


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