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犬と猿
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「イヌイ?なぁ、イヌイッ?」

「うわッ!?は、羽鳥?どうした?」

「いや、どうしたってイヌイの方こそどうしたんだよー?
さっきから上の空だし‥
だから、今度の土曜日みんなで遊ぼうって話してたのにさッ」



休み時間に俺んとこに来て、羽鳥が熱心に話し掛けてくれてはいたけど

ハッキリ言って全然頭ん中に入っていかない



(つーか、なんで昨日‥‥)



アイツあんなとこに居たんだ?
俺を茶化しに?
笑わせに?
‥‥ただ単に、腹減って
‥‥だよな?



「イヌイは大丈夫だよね?」

「ん?‥えッ!?えー‥と、みんなで?」

「うん!イヌイとシシクラとオレと彼女との四人でさ。
日曜日までのボーリングのタダ券あるんだ!」



うわッ‥‥

嬉しそうに話してくれるけど、メンバーがメンバーだけにどう転んでもイタい



「いや、俺ー‥うぐっ!ふぐぉッ!」

「もちろん、行くってよ!」



突然の息苦しさ
断ろうとした俺の言葉はデカイ手に塞がれて、俺の代わりに答えたのは


どっから沸いて出てきやがった猿倉ッ!



「ぷはっ、‥って猿ッ!
なに勝手に言ってんだよテメェは!」

「どうせ暇なんだろ?それとも何だ?
バカ犬はボーリング知らないのか?」

「な‥‥にィイイッ!?」

「あぁ、それとも‥‥
俺にメッタギッタにやられるのが恐いのか?」

「ッ、冗談!!」



誰がこんな、ニヤニヤと薄気味悪い顔して笑う奴に負けんだよ!



「だったら、ボーリングで勝負するか?」



人をバカにしくさった目しやがって!


「あたり前だッ、逃げんなよ猿倉ッ!」


あれ?
俺、行きたくないのに‥‥

猿倉の挑発にしっかり乗っての、売り言葉に買い言葉


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