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犬と猿
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「お疲れさんでしたーッ」



バイトが終わって外に出てみれば、月明かりに照らされた気持ちの良い闇夜が広がっている

暑くも寒くもなくって過ごしやすい上、雲もないから夜の割りには明るい


両腕を天に向かって上げ、くぅッと体を伸ばしていた俺は



「げッ!!」



嫌な奴を見てしまった



「よー。お前、こんな時間までバイト?」

「よーーッじゃねぇよッ!
テメェッな、なんでこんな所に居るんだ!?」

「部活が長引いた」



じゃねーよッ!
だったらさっさと帰れやッ!

何故か、何故ゆえにか猿倉がガードレールに腰掛けていた



「また俺に嫌がらー‥あ゙ッ
ほんじゃ、俺は疲れてんで猿またなッ!」



疲れてるのにコイツの相手なんかしてられるかッ!

突っ掛かれば、やり返して来るのは目に見えて明らか
ここは無視すれば‥と歩き出した俺は



「なんでついてくるんだよ!」



足音が追ってくるのにすぐ気が付いた



「あ?俺もこっちなんだよ」

「く、ーーッ!」



我慢!
我慢だ俺ッ!


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あきゅろす。
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