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犬と猿
2
しゃべる事も無いから黙々と描くしかないけど‥‥
だからと言ってコイツの顔をマジマジ見るのも‥‥
つーか
つーか、なんか‥‥



(なんか腹立つ)



嫌味なぐらい鼻筋通りやがって!
ホリが深くたって外人さんには敵わねーんだよ!
それに睨んでるか、けなしてるかしか分からんキツイ目しやがって!


なんでこんな奴がモテるんだ?
俺から見たら、短髪の目つきが悪いデカイ奴
面白みに欠ける野郎だ!

そうだ
普段が面白くねーから、絵の中ぐらいは面白くしてやるかな‥‥


猿だから、モミアゲもうちょっと長めで‥‥
よし!マユゲは繋げてあげよう!
悪どい野郎だから歯はギザギザで

手にはバナナっと‥‥


ブハッ、こりゃイイ!



「おい」

「あーー?」

「お前、ちゃんと描いてるんだろうな?」

「‥‥‥‥‥‥モチとロン」



何バカな事言ってんだ、猿は?
こんなに一心不乱に描いてやってんのに


そんな事を思っていれば、スケッチブックに黒い影が出来た
と、次の瞬間



「ッ、チビ犬!テメェやっぱりか!」

「あ゙ーーッ!!なにしやがるッ!」



手元にあったスケッチブックが一瞬で消えて
こめかみに青筋を浮き上がらせた
猿がバナナを‥‥


じゃなくって、
俺から取り上げたスケッチブックを掲げ


「痛だッ!!」


それで頭を叩いてきやがった


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