犬と猿 1 「くそ、くそ、くそォオオ!」 上半身裸で廊下を走っていれば、すれ違う人ほとんどが振り返る キャーキャーと女子達が甲高い声を上げるけど、そんなのは一切気にならなかった 怒りは恥ずかしさに勝るらしい 最悪だ、何もかも最悪だッ! あんな奴に 握られて 擦られて イかされた!それも二回もッ! あの後‥‥ 『すげぇ、グチョグチョだな』 荒い息を吐き出し、けだるさに抱き着かれたままの俺に聞こえたのは ムカつく猿倉の声 『そんなに良かったか?』 その声にブチ切れ、我に返った俺は おもいっきり反動を付け頭を後ろに振った ガツンッ! と、俺の後頭部と猿のデコがぶつかり 衝撃、鈍い痛みがいっぺんに襲い掛かる 『ぐ、痛ッッツ‥』 痛みで力が緩んだエロ猿 チャンスとばかりに暴れたのが甲を相してやっとの事、抜け出しに成功した俺は 『死ね死ぬ死にやがれッ! テメェなんか‥大っっ嫌いだァアアッ!』 腹にもう一発グーパンチをめり込ませ 急いでしまうモノをしまい、逃げて来た訳で‥‥ 「末代まで呪ってやるッ!」 新たな目標が内に芽生えていた [次へ#] [戻る] |