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犬と猿
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「いらっしゃいませー!」



学校帰りにあるコンビニで、週3ペースのバイトが俺の日課
今日も学校が終わってすぐに直行した俺は


「よしッ!ジュース、オッケー!」


手慣れたレジを巧みに操り、商品陳列と精を出す


昼時には混み合うこの店も、俺が入る夕方はボチボチと人が来るばかりで
暇でも忙しくもない適度な人の入りが
気に入っていたりもする

と、いつもの様にこなしていれば


ピロロリン‥‥


入店の知らせるメロディが鳴り
反射的に入口の方へ振り向いた俺は


「いらっしゃいまッ‥‥」

「‥‥犬井?」



固まった




「あー、今日はもう‥‥店じまいでーす」

「は?」

「またのお越しお待ちしてまーす」

「なに!?」

「猿は入店拒否でーす」

「テメェッ!」




学校の外でも、相変わらずデカくて態度悪ィし
なんと言っても

コイツが入って来た途端、女の人が熱い視線を送って見始めた

この俺でも気がつく程の分かりやすい発信でも
コイツは知らん顔状態


(顔がイイからって、ナメてんのか!)



つか、なんで
なんでコイツが来てんだよ!

いくら学校帰りとは言えども、他にコンビニなんか沢山あるだろーが!



「なんだバカ犬は、ここでバイトしてるのかよ」



フフンッ
と鼻を鳴らすかのように、挑戦的な目で猿倉が俺を見据えていた


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