犬と猿
3
「猿ゴラァアアアッ!上等だテメェエ!
お菓子を馬鹿にする奴はお菓子に泣くのを解らせてやる!!」
「テメェこそ、おにぎりにココアって馬鹿にしてんのか!普通お茶だろーが!」
「俺がなに飲もうと勝手じゃねーか!」
「ハッ、頭も馬鹿で味覚も馬鹿か?これ以上馬鹿になって大丈夫かよお前?」
「な、このっ!
‥‥猿、テメェ甘いの駄目なんだろ?
じゃあ、これでも‥‥」
我慢の限界
机の上には、ついさっき食べようとしていたエクレア
それを目にした瞬間
手が動いていた
「喰らえェエエエッ!」
猿の口目掛けエクレアを突き出す
‥‥が
「な、に‥しようとしてるんだこのバカ犬が!」
「ッ、てッ、テメェの大好きなクリームたっぷりエクレアを食べさせてやってんだ!」
「お前に、食べさせて貰わなくても、こっちは引く手、数多なもんでな!
っ、つ、ーか!お前が食えッ!」
エクレアを食わせる食わせないの、この攻防
猿倉は俺の腕を掴み、ジリジリとエクレアを押し返す
(この、馬鹿力ッ!)
負けてたまるか!と、力を込めようとした時
「うまッ!!このエクレア美味い!!」
エクレアを絶賛する声が響き渡った
その声がする方を見れば
(ズッキューーン!!)
生クリームを口の端にちょこっと付けて、美味しそうにほお張る羽鳥が
眩しいくらいに可愛くて
エクレアよりも美味しそうで
今、何をしているか
なんて一瞬で忘却の彼方
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