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犬と猿
2
「猿はバナナだろ?‥‥バナナ以外も食べるんだな!」

「テメッ!ちっ‥‥俺は甘いの苦手なんだよ!」

「はぁああ?」


矛盾してるだろ、そりゃ!
だったらこのお菓子の山って‥‥


そう俺が思った事を羽鳥が感じ取ったらしい



「なんか女の子に貰ったらしいよ。
だけど、シシクラ食べれないからオレとイヌイで食べてくれって!」



うわわわっ何だそりゃ!
自慢かオイっ!
そういやコイツ、バレンタインでわんさかチョコ貰ってた

だけど、甘いの苦手って



「ウプププッ!クハハーーッ!
モテてもそれじゃあ、拷問かよ!だったら、俺が食ってやるかな!
この犬井様が有り難くいただいて上げますか!」



腹を抱えて笑った後
再度、お菓子に手を伸ばす
と‥‥


ギューッッ‥


突然、腕を力いっぱい掴まれた



「痛っでェエ!なにしやがるこの猿ッ!」

「その言葉はねーよな?」



馬鹿力で俺の腕を離す事なく
上から目線ヨロシクな風貌で見下ろしてきた猿倉


「なんだよ!」

「『猿倉様と同じ空気を吸ってはいけない虫けら以下のダメ犬に、お菓子を恵んで下さい』
だろ?」

「な、にぃいいいッ!」

「ああ、それとも
『いつも猿倉様の瞳を汚しているこの薄汚い馬鹿で駄目な犬井に、ひとカケラのチョコを‥‥』
でもいいけどな」


ブッチーーン!!


と、してやったり顔の猿を見た瞬間
俺の体に巡る血管全部ブチ切れた


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