[携帯モード] [URL送信]

犬と猿
6
コイツ、何して来た?
俺はコイツに何された?


唇に触れた柔らかいものって‥‥
もしかして、もしかしてッ!



「犬井?お前‥‥スゲー、顔真っ赤」

「ッ!!!」



スルリッと頬をなぞる指先に硬直していた体が



「し、死ねェエエエエッ!」


解けた

猿の腹目掛けて蹴りをめり込ませる



「ぐ、痛ッ!」

「テメェこのエロ猿ッ!二度と俺に触んじゃねェエエッ!」



ゴシゴシ、と袖で力いっぱい唇を拭いて
俺は教室から逃げるように、飛び出していた



「ちくしょう、ちくしょう、チクショウッ!」



ファーストキスがッ!
俺のファーストキスがあんな猿にッ!

女々しいって訳じゃない
だけど、好きな人と
羽鳥といつかは‥‥

そんな事思ってたのにッ!



「くそっ!クソッ!クソォオオオ!」



初めて感じた唇の熱さ
擦れ合う鼻先
口元で吐息が交じり合う感覚がまだ残っているようで



「あのエロ猿がっ!!」


何度も何度もその感覚が消えるまで
唇を拭うのを止めなかった


[*前へ]

6/6ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!