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犬と猿
2
ポキッ
ポキッ

ボキッ!!


「ぁ゙あ゙あ゙ーッ!クソッまたかおいっ!」


これで3回目
力を入れると無惨にも悲しい音を響かせ、ぽっきりといってしまう芯

今まで地道に頑張って来たのに、水の泡かいッ!
ハート半分ぐらいまでは順調だったのに!


「くそっ、そりゃ簡単には、願い事は叶わないってか!」


だからと言って、やり始めたからにはやり通さないと、なんか負けた気がする‥‥

よしッ!



そんな時、授業開始のチャイムが鳴り渡る

先生が来て授業が始まったけど今の俺はそれどころじゃないもんで
気合いを入れ、もう一度シャーペンを握りしめた





「やった!」

何度心折れそうになった事か
でも、ノートには黒くしっかり塗り潰したハートがあるのを見て、自然と顔が綻ぶ


これで、願いが叶えば
あの猿は俺に突っ掛かって来ねぇし、羽鳥に近づかなくなって空気の様に存在感が無くなる‥‥



「ふ、ははははッザマーみれッ!」

「イヌイなんか楽しそうだね!」

「羽鳥ぃ、あれ?授業‥‥」

「さっき終わったよ」

「なぬッ!?」



周りを見れば、クラスの大半がすでに席を立っていた

羽鳥も、羽根を伸ばすみんなと同じように席を立てば
授業が終わっても熱心に机にかじりついている俺が不思議になったんだろう

真っ先に俺んとこに来てくれるなんて、羽鳥優しい



「あ、それオレ知ってる!」


羽鳥がノートのオマジナイに気がついた
そして、可愛い笑顔を俺に振り撒き



「イヌイ、誰か好きな人居んの?」



まさかの、好きな人からの


『誰好きなんだ?』


発言にイスから落ちそうになった


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あきゅろす。
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