犬と猿
1
『猿倉くんってカッコイイよね!』
『ねっ、カノジョいるのかな』
『いなかったら、私‥‥告白しちゃおうかな!』
と、女子共がうるさいッ!
俺は羽鳥一筋だから、女子達がどーこー言おうが関係ない
けどもッ!!
あの猿が、人気あるっつーのは正直ムカつく!
聞き耳立てる訳じゃないんだけど
キャッ、キャッ!と俺の近くで楽しそうに話すもんだから、嫌でも聞こえてしまっていた
『ね!そうだ、よく効くオマジナイがこの間、雑誌に載っていたの!
願いが叶うんだってー!』
ん?オマジナイ?
なんか面白そうなフレーズ‥‥
『叶えたい願い事を心に想い浮かべながら、相手の名前と自分の名前の分だけ、シャーペンの芯を出すの!』
へぇ、願い事‥‥
ちょっと、やってみよっかな!
俺が今、叶えて欲しい事つーとやっぱ
シシクラの人気ガタ落ち!
んでもって、羽鳥にベタベタすんな!
あっ!あと、俺に生意気な口を利くなボケッ!
こんな感じか?
で、えっと‥
相手と自分の名前の分『シシクラ』と『イヌイ』だから
カチカチカチッ‥‥
芯を7回出して
『そしてね!ノートにハートを書いて、その中を芯が折れない様にしながら塗り潰すんだって!折れずに、綺麗に塗り潰せたら願い事が叶うんだって!』
よしッ、やってやる!!
ノートにハートを書いて‥
いざッ!!
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