犬と猿
1
あまりにも自分の不甲斐なさに、ヘコみまくった日から数日
このままじゃ行けない!
と、中身を鍛える前にまず外見
そんなノリと勢いで髪を切ってみた
「なかなかイイじゃん!」
鏡を見ながら自画自賛
地毛が茶色だから、前髪に黒のメッシュを入れてみた
アシメの髪形にしてちょっと大人っぽい感じ
そう!一皮剥けた俺は違うんだ!
今度はスマートに、かつメロメロのヌチャヌチャにして
羽鳥をイかす!
自分じゃなくって!
「く、くふふふッ!」
羽鳥が喘ぐ姿を妄想し、自然と足はスキップになる
ランランランッと軽やかステップで、いつもよりちょっと早く学校に着いていた
「羽鳥、おはよう!」
「おはよう!あっ、イヌイ髪切ったんだ!」
「おう!どう‥かな?」
「うん!カッコイイ!すんごい似合ってる!」
くぅッやっぱり羽鳥は分かる子だ!
俺のハートを鷲掴みにしてくれる
「あ、羽鳥。あのさ、マンガまだ返してなければまた家に行ってもー‥痛てッ!」
「っと、悪ィ。ん?‥‥なんだお前か、誰かと思った」
後ろからドンッと、体当たりされる様にぶつかられ、前のめりになる
羽鳥との朝の幸せなひと時を邪魔して来たのは
「猿ッ、テメェエエエッ!!
いつもいつも邪魔しやがって!つーか、ぶつかったならまずは謝れよオイッツ!」
クソ腹立つ猿倉だった
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