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犬と猿
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あまりにも自分の不甲斐なさに、ヘコみまくった日から数日


このままじゃ行けない!
と、中身を鍛える前にまず外見
そんなノリと勢いで髪を切ってみた



「なかなかイイじゃん!」


鏡を見ながら自画自賛

地毛が茶色だから、前髪に黒のメッシュを入れてみた
アシメの髪形にしてちょっと大人っぽい感じ


そう!一皮剥けた俺は違うんだ!
今度はスマートに、かつメロメロのヌチャヌチャにして

羽鳥をイかす!
自分じゃなくって!



「く、くふふふッ!」



羽鳥が喘ぐ姿を妄想し、自然と足はスキップになる
ランランランッと軽やかステップで、いつもよりちょっと早く学校に着いていた



「羽鳥、おはよう!」

「おはよう!あっ、イヌイ髪切ったんだ!」

「おう!どう‥かな?」

「うん!カッコイイ!すんごい似合ってる!」



くぅッやっぱり羽鳥は分かる子だ!
俺のハートを鷲掴みにしてくれる



「あ、羽鳥。あのさ、マンガまだ返してなければまた家に行ってもー‥痛てッ!」

「っと、悪ィ。ん?‥‥なんだお前か、誰かと思った」



後ろからドンッと、体当たりされる様にぶつかられ、前のめりになる
羽鳥との朝の幸せなひと時を邪魔して来たのは


「猿ッ、テメェエエエッ!!
いつもいつも邪魔しやがって!つーか、ぶつかったならまずは謝れよオイッツ!」


クソ腹立つ猿倉だった


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