過去の拍手お礼文置き場
消えゆく言葉
消えゆく言葉
「あ、あのな…」
あ、今日で三回目だ。
キッチンに来たゾロが同じ言葉で言いよどんだ回数…。
酒を強請りに来た訳でもなく、このセリフだけを俯いたまま何度か呟いた後、キッチンから出て行ってしまうのだ。
サンジはクスリと笑みを浮かべ、いつもよりも若干手早く夕食の準備を終わらせた。
「おら、飯だぞ!!」
少しだけ時間のズレた夕飯の後、片付けまで完璧に終わらせたサンジはアクアリウムへと足を向けた。
夕食の時にゾロにだけこっそりと待っていろ、と伝えておいたからだ。
中に入るとゾロが居て、サンジを見ると再びその顔を下へと向けた。
「あの、な、、、」
今日だけで四回目となる言葉を呟く。
けれどやっぱり続きの言葉は消えてしまう。
サンジは優しく微笑んで、固まるゾロを抱きしめた。
耳元に口を寄せ、消える言葉を代わりに紡ぐ。
ゾロの顔が勢いよく上がり、サンジを捉える。
かぁ、とその顔が色づき、、、
「俺も」
と小さく呟いた。
『愛しているよ』
ーーーーー
愛を伝える日、とナミにけしかけられたけど言えないゾロちゃんとそれを知っていてギリギリまで優しく見守っているサンジくん、という設定ですww
こんな文ですが、拍手をしてくださった貴方に捧げます。
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