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探し人
空を切る音だけが響いていた。
見慣れていた動作で動く…その人は噂通りの美人で…

人の気配に気づいたのか、体がこちらへと向いた。
瞳に俺の姿が映る。
それでけで…泣きそうになってしまった。

少し癖のついたふんわりと流れる緑の髪を頭上で縛り“彼女”は竹刀の切っ先を俺へと向けた。

「てめぇ、何の用だ?」

クッソ生意気な口調は記憶に残る“彼”の物で、キッと睨みつける鋭い瞳から“彼”の面影を感じられた。

「ごめん。邪魔するつもりじゃなかったんだ。ただ…綺麗な…剣だなって。」

「…お飾りの剣なんていらねぇ。」

…うん。
知ってる。
“お前”の剣がお飾りだなんて、そんな侮辱を言うつもりはない。
ただ、ようやく見つけた“お前”の振るう剣が、久方ぶりの殺気が、ただただ、美しく思えてしまう…だけなんだ。

「…なぁ、名前…ロロノア・ゾロで合ってる?」

キョトンとした顔もまた、あの船の上でよく見たものだった。

なぁ、知ってるか?
ルフィとナミさんは俺の高校の後輩で付き合ってるんだ。
そこの保健室の先生は、な。小動物みたいで可愛いって有名なドクター・チョッパーだ。
ウソップとカヤちゃんは違う学校で仲良くやってる。
この大学のさ、史学科と音楽科と建築科の教授、見たことあるか?
皆、皆、この世界にいるんだ。
お前は何にも、覚えていないのか?

「俺はサンジ。調理科の一年だ。…ずっとずっとずっと、好きです。付き合ってください。」

…覚えていなくたっていいさ。
俺がまた、始めてやる。
ルフィ達にだって会せてやる。
振られたって俺は諦めないぜ?
なんせ…
ずっとずっとずっと、、、
“前世”からお前を愛しているんだから、な。

ロロノア・ゾロ
美人の女剣士として有名な彼女は“今世”では珍しい翡翠の瞳から涙を流した。

「…え?」

何で俺、泣いてるんだ?
なんか…止まんねぇ。

ぼろぼろと竹刀を握ったまま泣き出したゾロをサンジは抱きしめた。

“前”よりも細い体
長い髪
それでも“前”と変わらぬ安心感

サンジもつられてぽろりと涙を流した。

「会いたかった。…何年も、何年も探して…お前はこっちにいねぇのかって、すごい不安だった。やっと、やっと、やっと…会えた。」

「…こ…っく?…」

………懐かしい、呼ばれ方。

とうとうサンジは腕の中のゾロと同じようにぼろぼろと泣いた。
ぎゅうぎゅう抱きしめられ、ゾロは竹刀をその手から落とした。
恐る恐る、サンジの体に腕を回す。


“前世”で死に別れ、その一年後に残されたサンジも後を追うように寿命で死んだ。


「…てめぇ、病気であっさり死んじまいやがって。…置いていかねぇって…約束してたんじゃねぇのかよ、大剣豪。」

「…悪かった。」

「…お前がいなくなって…狂っちまいそうだった。」

「あぁ」


二十年ぶりの邂逅だった。


「…泣いてんじゃねぇよ。」

「…てめぇこそ鏡見ろ。」

「…うっせえ。クソコック」


あの、船の上と同じように…二人は幸せそうに、笑い合った。




―――――
現代パロ!!
髪が長いゾロちゃん♀が書きたかっただけww
お嫌いな方はごめんなさいm(__)m
でも由宇が気に入っちゃったのでまた書くかもです

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あきゅろす。
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