text onepiece 短編
俺達を放っておいて申し訳ありませんって言えよ
コラロ・サンゾロ前提のローゾロ(挿入は無し)。コラソン&サンジが忙しすぎて、放っておかれたロー&ゾロが浮気をして思い知らせようとする話。 ※気持ち的にはがっつりローゾロではなくてロー+ゾロ?コラロとサンゾロが嫌いな人は絶対見ない方が良いです。
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ドン、とすれ違いざまにぶつかった。
それ自体は珍しいことではない。人通りの多い街の駅前、しかも休日の昼間だ。さんさんと強い日差しが今日は出かけている人も多く、そんな中でぶつかることは珍しいことでもない。寧ろそれは仕方のないことだろう。
だがしかし、ぶつかった相手に盛大な舌打ちをされたゾロは、虫の居所が悪かったのもあり“んだと!?”と突っかかってしまった。
「何だ、文句でもあるのか?」
相手もイライラとした様子で振り返る。その、暑い日だというのに黒のTシャツと黒のジーパンを身にまとった長身の男を見て、ゾロは睨み付けるように細めていた目をパチリと開いた。
「てめぇ、ローじゃねぇか。」
「ん?…ゾロ屋か」
苛立ちを隠そうともしていなかったそいつ、トラファルガー・ローもゾロを認識するとほんの少し目を見開いて驚いた様な表情を作った。
ゾロとローは二年ほど前に二人が通っていた大学の剣道部のチームメイトだ。お互いに進路は別々の道に進むことになったが、“あること”が理由で二人は今でも交友を続ける仲なのである。
因みにゾロは警察官の道へ、ローは医者の道に進んだ。
久しぶりに会ったローは迷うように黒い瞳を右へ左へ泳がせて、何か覚悟を決めたのか、ゾロへと視線を合わせると口を開いた。
「ゾロ屋なら話してもいいか。付き合え。」
ゾロが連れて行かれたのは、暗めのライトで統一された落ち着いた雰囲気の隠れ家的レストランだった。
ひんやりと気持ちの良い温度に冷やされた店内には、赤と茶色の間のような色の煉瓦の壁や木でできたテーブルがあり、居心地の良い空間が出来ていた。
休日だというのに人もそれ程多く入ってはおらず、メニューにはそこそこ多くの種類の酒があった。
こんなところがあったのか、とゾロが思っていると、昼間だというのにローは酒を注文した。
「おい、昼間っから酒かよ。」
「何だ、ゾロ屋はこの後予定でもあるのか?」
「いや、ねぇけど。」
「なら付き合え。」
そう言うとローはゾロの分の酒も注文してしまった。
まぁいいけどよ、とゾロは呆れながらも出された酒に口を付ける。薄くスライスされた黄色のレモンの入ったその酒は口当たりがよく、味も悪くない。
今度またこの店に来ようとゾロは心に誓った。
「…で?俺ぁいつまで待てばいいんだ?」
眉間にしわを寄せながら酒を飲むローに聞けば、漸くローは口を開いた。
それは大学を卒業してから、人付き合いが良いとは言えない二人が今でも交友を保っていられる理由と言えるものでもあった。
「ゾロ屋…最近、コラさんが帰ってこねぇ。」
不機嫌そうな顔で言うローを見て、ゾロはだからか、と考えた。
ゾロと同じくレモンの入ったグラスを傾けるローの白い顔には不健康そうな隈がパッと見るだけ分かる程度には付いていて、ローが深い眠りを取れていないことは明白だった。
ふいにゾロは思い出す。
大学時代、部活動中に倒れたローのことを。
眠れねぇんだと言っていた。
“コラさん”とやらが居ないと不安で眠れなくなる、と。
聞けば長かった話を思い出す。
“コラさん”との出会いから始まり、同年代の友達が居なかったローの心を“コラさん”が開いてくれたこと。
幼少期の頃に大震災があり“コラさん”がローを庇った結果二人ははぐれてしまったこと。
それから三か月もの間、“コラさん”は行方をくらませ、誰もが死んだと考えるようになったこと。
結局、“コラさん”はドジって増水もしていない川に落ちて隣の県まで流されて携帯電話を壊した挙句、交通機関が土砂で機能しておらず帰って来れなかったというオチだったことなど。
それ以来、“コラさん”と会えない日が続くと不安で眠れなくなってしまうようになったのだとローは話していた。
三時間以上にも及んだその長い話を、ゾロは大事な試合前でローの体調に気を遣っていなければ、最後まで聞いていなかった自信があった。
眠い目をこすりながら聞き続けたゾロが何でそれを俺に教えるんだと聞けば、ローはゾロが言葉も出なくなってしまうような事を返した。
「だってゾロ屋は黒足屋と付き合っているんだろ?」
この前、部活の後に忘れ物をして取りに帰ったらキスしてたから、と続けられ、ゾロはその時使っていた机に頭をぶつけることになったのだ。
「俺もコラさんと付き合ってるから、同じような奴見つけて話したいと思っていた。」
少しも表情筋を動かさずに言われ、ゾロは赤面している自分が馬鹿らしいような気がしてきたものだ。
あぁ、懐かしい。
あの後、だからあんなところでするのは嫌だと言ったのにとサンジと大喧嘩をすることになったんだっけ。
「…おい、ゾロ屋。聞いているのか?」
「聞いてる。“コラさん”が忙しすぎて電話も三日に一回しか掛かってこねぇんだろ。」
あれから二年、ゾロはまだ見ぬ“コラさん”の話を何度聞いたことだろう。
おかげで“コラさん”とやらの食の好みから職業まで知るようになってしまった。
「きっとまた部下のミスの尻拭いしてやがんだ。」
「お人よしって言ってたな。」
あぁ、と頷いたローは最後の一口だけ残っていた酒を飲みほした。ゾロの残り少なくなったグラスを見て、ゾロの分も注文してしまう。
出てきた酒を一口飲んだローはまずいと呟くとゾロの方へそのグラスを寄せた。
「飲めねぇなら何で頼むんだよ。」
「コラさんが飲んでるから一回飲んでみたかったんだよ。」
再びレモンの入った酒を注文しなおしたローは、運ばれてきたそれで口直しをするとグラスを持ったまま腕を机に立て、そこに寄りかかりながらローの頼んだ酒を呷るゾロを見て、にやりと笑う。
「で?ゾロ屋は何をそんなに苛立ってる?」
「…別に、苛立ってなんかねぇ。」
「ならゾロ屋がピアスを弄る時は苛立ってる時だと気付いた方が良い。」
言われ、ゾロは自分が片手でピアスを弄っていたことに気付く。
シャラン、とピアス同士がぶつかって音を立てる。
その音を聞いていると心が落ち着くような気がするのだ。だから、苛立っている時はそのピアスをつい弄ってしまう。
それを指摘されたゾロは誤魔化すように持っていた酒を飲みほした。
ローがまずいと言ったそれは確かに癖があるが、味はゾロの好みで悪くなかった。しかしアルコールはかなりきついようで、酒に強いゾロでもくらりとした。
それでも口当たりは良いので、ゾロはローに回されたもう一杯にも手を出す。
思考がふわふわして、身体がポカポカする。
「で、ゾロ屋。何をそんなにいらだっているんだ?」
まとまらない思考の中、ゾロは再び聞かれたその問いに口を開いた。
赤くなったゾロ屋の顔。
いつもはしかめっ面のその顔が、気を許した人の前では可愛いと言われる部類のものに変わることをローは知っていた。
しかしいつものそれよりも数段ふわふわとした様子のゾロを見て、ちょっとやりすぎたかと思ったが仕方が無い。
だってゾロ屋はどんなに傷ついていても、ひどく酔わせない限りはその心の内を話してはくれないから。
だから仕方ないのだ。アルコール度数が高い酒ばかりを頼んで飲ませたことは、仕方が無いことだったのだ。
熱を出しているかのようにとろんとした顔のゾロが瞳を伏せて話し始める。
「サンジが最近、忙しそうなんだ。」
「黒足屋が?確か料理人になったと言っていたな。」
「あぁ、最近店の経営が軌道に乗ってきたから新メニューを出すって張り切ってる。」
そう言うゾロの口調が何故かひどく寂しそうで、ローは帰ってこないのか?と聞いた。
サンジとゾロも、ロー達と同じく大学を卒業した後に同棲を始めている。
何故それをローが知っているのかというと、ゾロがサンジと大喧嘩した時にローの家に泊まりに来たことがあるからだ。
その時もコラソンは仕事が忙しく、ゾロと合わせることは出来なかったけれど。
「…いや、帰っては来る。」
だがしかし、ゾロの顔は言葉に反して暗い。
そうローが思っていると、今度はゾロが自分から口を開いた。
「帰ってはくる。けど、キスもしないで寝る。」
ぽつり、ぽつりと呟くように吐き出された言葉に、ローでさえもそれは辛いと眉をしかめた。
「もう、好かれてねぇのかな。」
消え入るような声で呟かれると同時に、ゾロの瞳から涙が零れる。
ポロポロと零れていく涙がテーブルを流していくのを見て、ローまで悲しくなる。
ローは内に入れる人は少ないが、一度入れた人は大事にするのだ。
「よし、ゾロ屋。ゾロ屋を悲しませるような黒足屋に仕返しをしよう。」
にっこりと珍しいくらい満面の笑みを浮かべたローに、ゾロは仕返し?と繰り返した。
うん、可愛い。
コラさん以外に障られるのなんてごめんだが、ゾロ屋には触れるはずだ。
一人で結論付けたローは別にそこまではと渋るゾロをうまく丸め込めて、コラソンと二人で住んでいる高層マンションにゾロをお持ち帰りした。
「なんっじゃこりゃ!!!!!!???」
サンジは自分の城とも言える店で焦っていた。
今日が休みの日で良かった。
大声で叫びながら客のいない店内を歩き回る。
原因は数分前に友人のローから送られてきたメールとそこに付けられていた画像だ。
そこには恋人のゾロと友人のローが、頬もくっつく位まで近付いている様子が映っていた。
メールの文面は「要らないなら貰う」だ。
「いらねぇ訳がねぇだろうが!!!」
慌ててローの形態に電話をするが電源が入っていない。ならばとゾロの形態の番号にかけたがこちらも繋がらなかった。
「くっそ、何でこんなことになってんだ!」
苛立ちから携帯電話を叩き付けたくなったが我慢した。
…本当は、サンジにも心当たりはあるのだ。
最近、店が忙しくてサンジはゾロをないがしろにしていた。
忙しかったというのも言い訳に過ぎない。
自分の店が軌道に乗り、仕事が楽しくて、ゾロをおざなりにしていた。
思い返せば最近キスすらしていない気がする。
「…ちくしょう。」
自分が情けなくて、ゾロを悲しませたであろうことが痛くて、サンジはローの住むマンションの方向へ走り出した。
…のは、いいものの。
サンジはローの住むマンションと思われる建物の下でうろうろとしていた。
前に一度来たことはあるのだ。
前、ゾロが喧嘩をして家出をされた時に迎えに来たのだ。
だがその時はローとゾロがマンションの下まで降りてきたのだ。
つまるところサンジはローのマンション走っているものの、部屋の場所が分からないのであった。
小さいマンションならば一つずつ部屋を回ってみればいいのかもしれないが、ローの住むマンションは異様に大きい。
無謀か?いやでもそれしか方法が…
一瞬悩んだサンジの前を金髪の男が通り抜けようとする。
一か八か、サンジはマンションに入ろうとするその男に話しかけた。
「すみません!トラファルガー・ローってやつの部屋知りませんか!?」
うねりのついた金髪の、やたら背の高いその男はロー?と呟いた。
「ローなら俺の同居人だけど、お前ローの友達か?」
にこりと優し気な笑顔にサンジはぽかんと呆けて、それから目を輝かせた。
「え?ローがそんなことを?」
「てかおっさんはローの何だ?」
「俺はコラさんだ!」
「ローとどんな関係だって聞いてるんだよ!」
「えーっと…彼氏?」
「てめぇも修羅場じゃねえか!!!つうかてめぇのとこには連絡きてねぇのかよ!」
「え?…うぉぉぉおおドジッた!!!!!電源切れてた!!!!!」
コラソンとサンジが転がり込むように入った部屋、ローとコラソンのベッド―ルームに二人の恋人はいた。
黒系のもので揃えられた部屋、大きな黒色のベッドの上にローがゾロを押し倒していた。
「ゾロ!」
「ロー!」
思わずお互いの恋人の名を呼んだ二人に、ゾロはその身体を震わせて、ローは薄く笑って答えた。
自分を呼んだ恋人のいる方向に顔を向けようとしたゾロをローがその耳元で何事か囁いて止めさせた。
俯いてしまったゾロに変わってローは金髪と息を乱して立ち尽くしているサンジとコラソンを見た。
「コラさん、今日も帰ってこねぇのかと思ってた。」
仕事終わったのか、とまるでいつもの調子で話しかけられ、コラソンは言葉を飲み込んだ。
「でも今はゾロ屋が先な。」
ローは色気すら漂わせるような笑みを浮かべ、自分の下で顔を隠す様に俯くゾロの額にキスを一つ落とした。
そしてゾロの顎を掴み、軽く持ち上げる。
軽そうな動きはゾロが抵抗らしい抵抗をしていないことを物語っていた。
ほんのりと赤みを帯びるゾロの顔に、ローは触れる程度のキスを幾つも落とす。
ギリ、とサンジは無意識のうちに歯を食いしばっていた。
サンジがこの行為を止めてしまおうと足を踏み出した瞬間、ローがゾロに向けていた顔を再び上げた。
「黒足屋、お前はゾロ屋をないがしろにしていただろう。そんなお前に止める権利があるのか?」
ジロリ、と射殺すかのようにローににらまれ、サンジは踏み出した足を止めてしまう。
そしてその言葉は同時にコラソンへも突き刺さった。
ローはサンジとコラソンが動かなくなったのを見ると、またしてもゾロに触れ始めた。
赤く染まったゾロの顔、触れられる度に鳴く反応、全部、全部俺だけが見れるものだと思っていたのに。
握りしめすぎた手に爪が突き刺さる。
けれどサンジには、そんな痛みよりも胸の痛みのほうが強かった。
脇腹を撫でられ、乳首を吸われたゾロが抑えられずに声をあげる。
キスの最中に息をすることが苦手なゾロは、舌を絡めながら声を漏らす。
なんでその相手が自分ではないのだろうか。
ズボンを下ろされたゾロが一瞬嫌がったものの、直ぐにローにゆるく立ち上がったものを触られ、嬌声へと変わった。
「あっ、ろ、ロー、イク、いっちまう、から、うあっあっ」
「ゾロ屋、イけばいいだろ。」
「やめ、うあ、ああ」
白濁色がゾロの体を彩った。
ローは自分の手にも放たれたそれを見て、少し足りないかと呟いた。
ベッドの横にある棚の一番上の引き出しからローションを取り出し、手に垂らす。
ローションとおゾロの放った精子を手の上で混ぜ合わせ、ローは息を整えようとするゾロの下に手を潜りこませた。
何をされるか勘付いたゾロがきゅうと体を固くする。
「大丈夫だゾロ屋、優しくするから。」
つぷ、とゾロの中にローの指が入り込む。
「うあ、あ、ああ。」
ゾロはいつもサンジと交わる時と同じように乱れていた。
ローの指がゾロの弱いところを掠る。
「ふぁあああっ」
ビクビク、とゾロの体が跳ねた。
達することのなかった体はけれど快感に震えていた。
「ゾロ屋、どうする?まだやるか?」
サンジに聞こえないようにローがゾロの耳元で囁く。
しかしゾロは荒い息を吐き出すばかりでローの言葉に答えない。
「ゾロ屋?」
ローはそこでようやくまずいことになったかもしれないと思った。
ローもコラソンと交わる時は意識を飛ばすほど乱れてしまうが、基本的に入れられるまではそこまで乱れないのだ。
まさか友人がこれほど快感に弱いとは思っていなかった。
「あ、ほし、い。」
目元に涙が浮かんだゾロが呟く。
しかし流石に入れるところまでは出来ない。
どうしようかとローが考えた瞬間、ゾロはぐっと体を起こした。
蕩けたような顔で、腕を伸ばす。
「ほし、あ、サンジ、サンジぃ!」
その先にいたサンジは、それまで足を動かすことができなかったことが嘘のように床を蹴り飛ばしてゾロの元まで行った。
ローを押しのけるようにゾロの上からどかす。
「あ、サンジ、サンジ。ごめん、ごめん」
サンジはうわごとのように自分の名を呼び、謝る恋人を抱きしめた。
「ちがう、ゾロ。俺が悪かったんだよ、ごめんな。」
ぎゅう、とサンジがゾロの体を抱きしめれば、サンジの服がゾロの体をこする。それだけでゾロは声を上げた。
中途半端に高ぶった体を目の前に、サンジは触ってもいい?なんて情けない顔で聞いてゾロに叩かれていた。
「早くしろ、馬鹿。」
イチャイチャしはじめたバカップルを前に、押しのけられたローはやり遂げた感でいっぱいだった。
自分は頑張った。
人のことを押し倒すのなんて初めてだったがいつも自分がされていることを思い出してローは頑張った。
それをゾロやサンジが望んでいたかはともかく頑張った。
…コラさんを見るのが怖すぎる。
ロー達のベッドだということもお構いなしにサンジがゾロの体を弄りだして直ぐに顔を上げることができないでいるローの元へコラソンが歩いてきた。
本当は、コラソンが帰って来る前には終わるはずだと思っていたのに。
「ロー」
大好きな人の声で名前を呼ばれ、ローはそうっと顔を上げた。
無駄に身長のあるコラソンことを見上げ、ぎょっとする。
どんなにローがわがままを言っても優しい顔で微笑んでいるその顔には驚くほど大粒の涙がぼろぼろと流れていた。
「ろー、おれは、おれも、きょう、ひさしぶりに、ろーにあって、あえるって、たのしみに、だのじみに、して、じでだのに」
ほとんど見たことのないコラソンの涙に、ローは言葉を発することが出来なかった。
コラソンがサンジと一緒に部屋に入ってきた時から怒られるかもしれないとは思っていた。
だがしかし、大泣きされるとは思っていなかった。
「コラさん…ごめん。」
ローはベッドの横で立ってたコラソンに抱き付いた。
ベッドに乗っているおかげで、いつもは遠いコラソンの顔に近付くことができた。
その間にもコラソンの瞳からボロボロと零れ続ける涙を拭えば、その瞳がローを見つめた。
「いやだ。俺は、別れないからな!」
違う、別に別れたくてごめんと謝った訳じゃない、とローはコラソンに押し倒されていう事が出来なかった。
「もう、別れるなんて考えられないようにする。」
それから、ローは如何に自分が大事にされていたのか、どんなにコラソンが自分に負担がかからないようにしてくれていたのか思い知らされることとなった。…一晩かけて。
「ゾロ屋、生きてるか?」
「…おう。」
「立てねぇ。」
「…同じく。」
「ぞーろー!!!朝ごはん作ったぞ!!!食えっか!?」
「ろぉぉぉぉおおおおお!!!無茶させてごめんなぁぁぁあああ!!!」
掠れた声で愚痴を言っていた二人だったが、朝からハートマークを飛ばしまくる男と転びながら部屋に入ってきた涙目の男を見て、呆れたように、しかし幸せそうに笑みを浮かべた。
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