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text onepiece 短編
眠り姫に安らぎを
“それ”を見たのは本当に偶々だった。
偶然ルフィが大きい海獣を仕留めて、偶々メニューが変更になって、そんで仕込みが予定より早く終わった。
空は曇天で分厚い雲に覆われてしまい、今にも降り出しそうだから洗濯もできないし水やりもいいと言われた。
そんで偶々やることが無くなったから偶々…っていうのは嘘で、夕飯の仕上げを始めるまでゾロを少しでも見たくて、レモンで味付けた後味スッキリの特製ドリンクを持って探した結果、見てしまったのだ。

額に脂汗を浮かべて、手が真っ白になるまで刀を握りしめて、苦しそうに眠るゾロの姿を。

ふぅ、と紫煙を吐き出した。
風に流されたそれがゾロを一瞬包み込む。
真っ白になっていた手に赤みが戻り始める。
ドリンクを静かに床に置いて、ゾロの近くに座り込んだ。
夜、ゾロが眠る時のように軽く頭を撫でてみれば、刀から手が落ちた。
ぽとり、と床に落ちた手が何かを探すように彷徨って、最終的に俺の服を握りしめた。
ぽかん、と固まってから…笑みが零れる。

「どこにも行かねぇよ。」

ぼそりと呟いて、眉間の皺の取れたあどけない寝顔にキスを落とす。
子供のような寝顔は可愛いやら綺麗やらで未だに馴れることなくドキドキしてしまう。
その顔が、自分の存在で守れていることを嬉しく思う。
悪夢に苦しむ彼には申し訳ないが、愛されていると感じてしまうが故に。

「……ん?」

くぐもった声を上げた眠り姫はパチパチと目を瞬かせてから俺を見て首を傾げた。

「なんでお前がここにいんだ?」

「今日は夜みたいに真っ暗だからな。」

??と首を傾げる姫に口づけを贈れば、あっという間に真っ赤に染まる。

「今夜はブランデー入りのホットミルク作ってやるな。それ飲んで、今夜は一緒に寝よう。」

未だにはてなマークを浮かべるゾロはそれでもコクリと頷いた。
お前が俺を愛してくれているように、俺もお前を愛してるんだ。
だから、お前が安心して眠れるのなら、俺は眠るお前の隣を守り続けよう。

「……サンジ」

「ん?」

「……りがと…」

「…どういたしまして。」

真っ赤な耳でそっぽを向く君が、とても愛おしい。





素知らぬ顔で愛情を注ぐあいつがほんの少し恨めしい。
…与えられるだけなんて、癪に障る。
だけど困ったことに与え方がわからない。
ああ、そうだ。
あいつがいつもするようにしてみようか。
少し…大分恥ずかしいけど、きっとサンジは驚いたような顔をするだろう。

寝ている間にかいていたらしい汗は引いた。
側に置いてあった汗のかいたグラスを掴むと一気に飲み干した。
すっきりとした果実の風味が喉を通り抜けていく。
とりあえず今は夕飯の支度に追われているあいつを手伝ってやろう。
ニヤッと笑って立ち上がった。







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…神様(と尊敬している方)のサンゾロ小説を読んで滾った結果です(笑)
ぶっちゃけニヤニヤしてほんと不審者でしかなかったです(外で読むなって話ですね)


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あきゅろす。
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