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text onepiece 短編
嘘をつくより簡単なこと
俺は嘘をつくことが苦手だ。
嘘をつくくらいなら本当のことを言っちまうほうが楽だ。
…だから…同じ船に乗ってるぐるぐる眉毛のひよこ頭の野郎がどうして嘘をつくのかもよく分からねぇ。
俺は嘘をつくのは苦手だが人の気配を読むことは自分で言うのもなんだが上手い。
だから気付いてしまうのだ。
深夜に俺が酒をたかりに行く時に限ってグル眉コックは眠ったふりをしていることに。
だがそんなことをする理由が分からねぇ。
あいつが寝てようが起きていようが酒は貰っていくし、寧ろ寝たふりをしている時なら起きている時よりも静かだし、本当に眠っている時より気が楽だ。
嬉々として貰ってしまうのだが…あいつは何がしたいのだろう?

俺は嘘をつくことが苦手だ。
嘘をつくくらいなら本当のことを言っちまったほうが楽だ。
いままでだってそうしてきたし、これからもその考え方を変えるつもりはない。
寝ているふりをするサンジを横目にこの頃気に入っている酒を二本抜き取る。

「てめぇが言わねぇなら俺が言う。
 …好きだ、サンジ。」

わざわざ俺の好きな酒をとりやすい手前に仕込まねぇで直接渡せばいいだろ。
お前が寝たふりなんかしなくたってここで酒を飲んでやるよ。
…俺は嘘は苦手だが、人の気配には敏いんだ。
お前が寝たふりをしている時にお前の側で酒を飲んでると…嬉しそうにしてるのだってバレバレだ。
寝たふりを続けるならそうすればいい。
…それならそれで終いだってことだ。

ゾロは言うだけ言って、テーブルに伏せるサンジに背を向けた。
ドアノブに手を掛ける。
ガチャリと開けて・・・・・

・・・外にゾロは出てこなかった。

「おせぇんだよ、ヘタレ。」

「…いつから気づいてた?」

「最初からだバーカ」



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あきゅろす。
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