text onepiece 短編
君を想う (コラロ)
爆弾を纏って現れたというそいつは正に爆弾のようなヤツだった。
この世の全てを憎んでいるようなドフィと同じ種類の狂気を纏った…大切な物を何一つ持たない分ドフィよりも危ういガキ
…けれど近付いてみればそれはおかしいほど間違いだった。
全てを憎んでいるフリをして大切な物を作ろうとしない、大切な物を失う恐怖に怯えるただのガキだった。
痛みに怯えて、痛みを抱えて、その癖痛みを隠す…弱くて強いただのクソガキだった。
ただの気紛れ…いっそそれよりも酷いドフィを出し抜くために救おうとしただけなのにいつものドジか…クソガキは俺にとって大切な大切な存在になっちまった。
ロー
お前は痛くてもそれを口に出そうとしないが、まだガキなんだから泣いて助けを求めていいんだ。
辛い時は辛いって…
欲しい物は欲しいって…
独りで我慢しなくたっていいんだ。
だから頼む
死にたくないと言ってくれ。
生きる未来を切り捨てないでくれ。
頼むよ…
「死んでほしくない…!」
俺を置いていったコラさん
絶対に助けてやるとだけ言って彼の音は消えてしまって、それからすぐに気配さえも無くなってしまった。
助けてやると言ったコラさん
でも俺は自分が生き延びるよりも、死にたくないと思うよりももっともっと、コラさんに死んでほしくない。
もっと欲しいものを口に出せとあの人は言った
だから言ってやる。
「あんたの温もりが欲しい。俺にだけ聞かせてくれる声が、抱き締めてくれる腕が…欲しい。」
生き延びるよりも、死ぬその瞬間まであんたの体温を感じて死にたい。
もう全てを壊して死にたいなんて言わない。
俺を救うと、助けると約束してくれただろ?
なら…
「今すぐ帰ってきて…あんたのいない苦しみから救ってくれよ…」
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