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text onepiece 短編
おかえり (MaA)
メラメラの実が食べられた。
彼の力は、、、何処かの、誰かの物となってしまった。

モビー・ディック号を重苦しい空気が包んでいた。
その中心にいたマルコにも皆の気持ちは痛いほどよくわかった。

それでも、それでもマルコは明るく声を上げた。

「よいよい、エースだってあの力が使われたほうが嬉しいに決まってるよい!」

皆がマルコを見る。

「…そうだよ…な。」

「あぁ。…きっとエースのことだから流石俺の力!!とか言って自慢してくるさ!!」

「もしも襲撃されて撃退したら悔しがりそうだよな!!」

皆が思い思いのことを言いだす。
誰も…エースが“どこ”で悔しがるのかは言わない。

マルコは少しは明るくなった甲板からそっと消えた。

広いモビー・ディック号に入り…向かう先は隊長達の私室だ。
並ぶドアから迷わず一つを選び、入る。
殺風景な部屋
置いてあるものといえばベッドとガラクタばかりの乗った机くらいのものだ。

マルコは机に近付いた。
誰かから貰った、と嬉しそうに見せて来たことがあるきらびやかな羽ペン、、、書類仕事などほとんどやらないくせに必要あるのかと思ったもんだ。
練習だと言って作った少し焦げている笠、、、オーズ用の笠を編んでいた時は大変だった。わざわざ無人島を探してそこで作ったのだ。何度も失敗するもんだからしまいにはマルコまで手伝わされて…

「………」

懐かしい、思い出が次々蘇る。
メラメラの実が食べられた。
エースの、生きていた証がまた一つ消えて、無くなってしまったような気にさせられる。
…きっと、エースはマルコが言ったように気にも留めないだろう。
きっと、天国で笑っているだろう。
…それでも…

「…もう、帰ってこないんだねい。」

涙は出ない。
エースが、最愛の恋人だった人が、死んでしまってから、もう一粒だって流れなくなってしまった。

「救えるって…信じていたんだよい」

救えると、信じていた。
離れることなどないと…誓っていた。
何度だって自害してしまおうと思った。
それでもボロボロになった白ひげ海賊団を置いてはいける訳もなく、、、

「エース」

マルコはぎりぎりの精神で生きていた。
…生かされて、いた。



エースの机で伏せっているとノックの音が響いた。

「マルコ船長」

聞こえてきたのはダズの声だった。

「船長なんて付けるなよい」

「へいへい。エースの兄弟を名乗るやつが来てるが…どうする?」

「…出る。」

扉から出てすぐのところで待っているダズ。
マルコ以外はエースの部屋には入ろうとしない。
きっと、マルコに遠慮しているのだろうが、ありがたかった。



甲板に行けば黄色の髪にシルクハット帽をかぶった男が居た。
エースとは似ても似つかない。
けれど、強い実力を持っていることは感じられた。

「お前さんがエースの兄弟かい?」

「あぁ、革命軍のサボって…「マルコ!!」

男の挨拶は途中で遮られた。
サボ、という男が握手を求める為に出した手が急に燃え上がったからだ。
ピリリとした緊張感が走る。

「…なんのマネだい?」

「いや…勝手に出て…消せないんだが」

サボもどうしたらいいのかわからないのだろう。近くにいたマルコに目を向ける。
マルコは…サボの手から上がる炎をじっと見ていた。

…そして……

燃えるその手を、生身で掴んだ。

「マルコ!!??」

「何やってるんだ!?」

驚きの声が次々に上がる。
その間にも炎はマルコの腕を焼いた。

ぼう、とマルコの腕から青色の炎が上がる。
それはマルコの傷を癒し…赤い炎と混ざり合って紫色へと変わった。


「…おかえり。」


マルコが…小さく呟いた。
その瞳から一筋、涙が零れ落ちる。
サボの腕から上がる炎が大きくなりマルコの頬を撫でる。
青い炎に包まれたマルコを赤い炎が包み込んで…そうしてふっと、消えていった。

呆然としていた皆に向き直り、マルコは一瞬誤魔化すように笑った。
それは、エースがいた頃によく見せた表情だった。


「ここに来てくれて、ありがとう。感謝してもしたりないよい。」


エースの義兄弟というサボに礼を告げ、その日はサボと彼の仲間も含んで宴となった。
サボの知らないエースの話を、俺らの知らないエースの話をたくさんした。
皆が楽しそうで、笑って笑って笑って、笑いすぎて少し涙を流した。

マルコも少し、笑って泣いた。





やっぱり…まだ、笑って生きるというということは出来ない。
それでも、死に急ごうとした時、赤い炎がこの体から出てくるならば…
きっと、そういうことなのだろう。

「…お前は早く会いたくないっていうのかねい。」

そうぼやいてみれば、青い炎の一部から漏れる赤い炎が勢いを増した。

「…嘘だよい。」




早く、お前に会いたいと願う。

けれど、この炎がお前の代わりに諌めるというのなら、、、

もう少しだけ、生きてみようか。

きっと、、、君は、待っていてくれるだろうから。









ごめんなさい!なんか書いていたらエースさん死後設定としちゃいました!!(ノД`)・゜・。
…あか様が読みたかったのはこんな設定ではないということだけは分かるのですが…。
ごめんなさい。
今やっている課題が終わったら書き直すので取りあえずはこれをリクエスト小説ということにしておいてください!!<(_ _)>


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あきゅろす。
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