text onepiece 短編
お昼寝
ぐう、ぐう
それはいつもの光景だ。
ゾロが昼寝をしている、それだけの。
いつもと違うのはその横にこの船のコックであるサンジが一緒に昼寝をしているということだけで、気配に敏感なはずのゾロがクルーの誰が横を通っても起きないということ…。
それからそんなゾロの手が遠慮がちにサンジの服を掴んでいるということ。
「…甘いわね。」
「あら、可愛くていいじゃない。」
「あー良い天気だな。」
うんざりとした表情で呟くナミ、
にっこりと微笑むロビン、
空を遠い目で見つめるウソップ、、、
「サンジとゾロは仲良しだな!」
にこにこと嬉しそうにするチョッパーに、、、
「そろそろサンジ起こそう!!おやつの時間だ!!」
どこまでも我が道を行く船長、、、。
「はいはい、言うと思った。サンジくんがとっくにおやつを作って冷蔵庫に用意してるから取りに行きましょう。」
「ほんとか、ナミ!?」
サンジ視点
今日は昼ごはんの前におやつの仕込みが終わっちまったからゾロの横で一緒に横になってみたんだ。
…確かに暖かい。
うとうとしちまうのも頷ける。
…とか思っていたら…とっくに鼾をかいていたゾロがころんと転がって俺の横に来たんだ。
動物のようにくんくんと匂いを嗅いだかと思うと俺の服をきゅっと掴んできた。
…そん時の俺の気持ちが分かるか!!??
悶えたいような嬉しいような抱き締めたいような!!!
でも起こせないから歓喜で震える体を押さえ込んで。
ワイワイと騒ぐ仲間をそっちのけにゾロの横に転がって寝顔を堪能した。
え?寝てなかったのかって?
…寝れる訳ないだろ!?
俺は元々あんまり睡眠をしなくても大丈夫な体質だし、ゾロの寝顔をじっくり見る時間なんていつもは仕込みやらなんやらであんまりないからな。
じいっとゾロを見ているとゾロが小さく身動ぎをしてうっすらと瞳を開けた。
綺麗な翠緑が俺を写し出す。
「…ん」
「起きた?ゾロ」
「…コック?」
寝起きでぼんやりとしているらしいゾロがこてんと首を傾げた。
つうか手、、、服掴んだままだし、、、!!!
「サンジーーー!!!おやつこんなんじゃたりねーーーー!!!」
悶えているサンジとゾロとの間に…ルフィが飛んできた。
その弾みでゾロの手も離れてしまった。
、、、、、。
「本当に死ね!!!クソゴム!!!!」
「ん?サンジ何で泣いてんだ?」
ーーーーー
不憫なコックさんでしたー。
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