text onepiece 恋人 桔梗 朝、ぼんやりと霧がかる頭を起こす。 ゾロがいたのは男部屋ではなく、狭い格納庫の床の上だった。 体の下と上に一枚づつ敷かれた毛布のお陰で寝心地も良い上に温かい。 二度寝をしてしまいそうな誘惑と戦っていると、格納庫の扉が開いた。 キィ …扉の隙間から顔を覗かせたのは、さらさらの金髪が綺麗な…なんて本人には絶対に言ってやらないが…ゾロの恋人のサンジだ。 「あれ?もう起きてんの?珍しい。」 「…今何時…?」 「いつも起こす時間の15分前」 「…?」 「いつも15分ゾロの寝顔を堪能してから起こすから♪」 「…ばーか」 「はいはい。おはよう、ゾロ」 「…はよ」 いつもの15分間を二人で過ごし、ゾロはリビングへとサンジに手を引かれて歩いていった。 寝起きのゾロは分かっていないが、二人は手を繋いで歩いている。 サンジはにへら〜と幸せそうに笑みを浮かべていた。 「ゾロ、今日パンだけど目玉焼き?スクランブルエッグ?」 「パンか」 「米は明日な。」 「目玉焼き」 「おう!なら、ベーコン?ハム?」 「ベーコン」 「厚切りだろ?」 「…おぅ。」 ガチャ、とリビングの扉を開きゾロは椅子へ、サンジはキッチンへと向かう。 「はよ」 「おはよう、ゾロ!」 「「おはよう!」」 「もう少し早く起きれば皆と一緒にご飯食べれるのにね、おはよ」 「おはよう」 既に起きていたクルー達はいつものこと、と何の反応もしない。…強いて言うならチョッパーが仲の良い二人を見て嬉しそうにしている。 「ん、ゾロ。」 直ぐに半熟の目玉焼きと厚切りのベーコンが出される。 「ありがとう。いただきます。」 「はい召し上がれ」 クロワッサン、バターロール、クルミパン、、、色んなパンが詰まった籠からバターロールを取り、食べ始める。 サンジは俺にもおかわり〜、とまとわり付くルフィを剥がすのに手間取られていた。 ようやくルフィをリビングから追い出し、サンジはむしゃむしゃと食べ続けるゾロに近寄った。 「…旨い?」 「旨い。」 素直なゾロの反応にサンジもご機嫌だ。 食べ終わった食器を片付けている間もゾロはダイニングに残ってその様子を眺めていた。 昼、鍛練をしていたゾロはドボン、という音と共に響いたウソップとチョッパーの悲鳴に錘を置いた。 呆れたように溜め息を吐くナミとロビンの視線を背中に受けながら海に飛び込む。 沈みつつあったルフィを発見し、船に放り込んだ。 船の上からルフィー!!という絶叫が響いた。 「…マリモ?飛び込んだのか?」 騒ぎに遅れてやって来たのはサンジだ。 梯子を下ろしながら聞いてきた。 「あぁ。丁度刀も置いてたしな。」 「おつかれさん」 「おぅ」 はい、と何気無くタオルを被され、されるがままにわしゃわしゃと拭かれる。 くすぐったくて目を閉じているとロビンがクスクスと笑う声が聞こえた。 「ルフィ!何で釣りしてて海に落ちんのよ!!ゾロ、あんたは早くシャワー浴びてきて!!」 次いで、ナミの声、、、。 サンジに連れられお風呂場に行ったゾロが続く会話を聞かなかったのは幸いだった。 「コックさんも剣士さんも甘いわね。」 「朝から見せつけられるのは勘弁して欲しいわ。胸焼けしちゃう。」 「そうね。」 クスクスと楽しそうな笑い声が甲板に響いた。 ーーーーー 桔梗ーききょう 花言葉ー優しい愛情 うーん…ただ甘いだけ? 桔梗の花言葉はまだあるのですが今回は“優しい愛情”をテーマに書いてみました。 こんな感じの題名全く関係ない?…兎に角題名の花は登場しないような話をまた書いていくと思います。 現在なかなか書けずにリハビリ中なので温かいまなざしで見てくれるとありがたいです…( ;∀;) [*前へ][次へ#] [戻る] |