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被害者U
俺は麦わらの海賊団の一人、海の戦士を目指すウソップ様だ。
世間一般では一人一人が滅茶苦茶強い海賊団で通ってる俺たちかもしれないが…俺様から言わせるとその主戦力の奴らは皆どこかおかしい。
化け物並みに強い奴らは皆どこかおかしくなっちまうのかなんて考えてしまうほどにはおかしい。

まず船長とコックの二人だ。
…この二人、戦闘員のロロノア・ゾロのことが好きらしい。
…俺様にもどこがどうなってこんなことになったのか全く見当もつかないが、この二人はゾロ馬鹿だ。
特にサンジ……あぁ、コックの方な。
あいつはヤバイ…。この頃はゾロがサンジに懐き始めてからはゾロ馬鹿が更に加速した。

…俺は…恐れるものなんてない海の戦士を目指してはいるが…間違ってゾロが風呂に入ってる時に風呂場に入っちまった日には…。お、思い出したくもねぇっ!!
よりにもよってゾロがシャワーは空いてるぜ、なんていって誘うんだ。
それ!ルフィかサンジにやってやれよ!!!
断ったらゾロが一瞬悲しそうな表情するからシャワーだけ借りるけど…その後はいつも大変なんだぜ。
…ぶる…。
おおっと。思い出したら死んでしまう病にかかってしまった…。


…とまぁこんな感じだ。

で、そんな二人の想い人、ロロノア・ゾロがどんなやつかと言うと、、、

「くー…くー…」

そこ、マストの下で寝てる緑の髪の奴がそいつだ。
今はサンジの持ってきた毛布を抱き締めるように寝てる。
…いつ見ても寝顔は無防備でかわい…ってはっ!!ち、違う!!俺はカヤ一筋だ!!

この…色気むき出しの…男の俺でさえ…彼女のいる俺でさえ、何故かときめいてしまうこの男がロロノア・ゾロだ。

こいつの色気も大概おかしいと思う。



…とまぁそんなことはさておいてだな。俺らは今グランドラインに入る直前の港に船を入れている。
丁度良いからカヤに書いた手紙を送ろう、と船を降りようとした俺は…ナミ、この船の支配者に肩を掴まれた。

げ、な〜んか嫌な予感…。

「ちょっと待って、ウソップはサンジくんとゾロと一緒に行動しなさい。」

…嫌な予感ほど当たるものはないよな…。
てかもうこの時点で金髪の暴力コック様から焼き殺すようなあっつい視線が送られて来てるんだが?
ナミさん?ナミ様??
…無視かよ!!

つうか視線に目を合わせなくたってなんて思ってるか分かっちまう…。

“俺とゾロのデート( 〃〃)の邪魔してんじゃねーよ、この長っ鼻!!”

…だろ(泣)
でもな、サンジ…

「早く行きなさいウソップ、あいつら二人で送り出したら出航時間に遅れちゃうわ。サンジくんもそれでいいわよね!!ルフィ!あんたはこっち!!」

お前だってナミには逆らえねぇだろ?
ほら見ろ、俺らの船長なんて首根っこ掴まれて引きずられてるぞ…。

「りょーかいでーす…ナミすわぁーん…。」

ナミの命令には絶対服従のサンジも渋々頷いた。
はぁ、やだなーと思いつつ、振りかえって、固まった。

…なんでお前らは……手ぇ繋いでんだよーーーーーー!!!!!!

「おらウソップ、早く行くぞ!!その手紙送るんだろ!?」

口に出そうとした時…サンジの声が被った。
そして…その片方した出ていない目が言っていた。

“今思ったこと、口に出したらコロス”

…と…。


手紙を出して市場に行って…イチャイチャして…

「コック、今度あの料理食いたい」

「ん?あの屋台の?今じゃなくていいのか?」

「…コックの作ったやつが食いたい。」

「分かった。なら今日の夕飯はあれにするか。…つーことは……あとバジル追加しとくかな。」

…あぁ、献立ってこう決まるんだなぁって思った、、、。

市場の横のレストランで昼飯食う時もイチャイチャイチャイチャ…

「ゾロ!これ旨いぞ!!ほら、あーん」

「ん」

「どうだ?」

「ん…一昨日出された和え物のほうが好きな味」

「そりゃ俺はゾロの好きな味付けにしてるからな。」

「……あー…旨いなぁ…」

そーかそーか…和え物が旨かったのかー。あれ珍しい料理だすなーとは思ったがそっかーゾロの好みかー。
つーかなんで普通にあーんとかしてるんだよー?
こいつらなんだ、バカップルか…???

「あぁ!ゾロ!!船はそっちじゃねぇって!!ほら、すぐ迷子になんだからほら、手」

「……迷子じゃねぇ」

「はいはい、なら手繋がない?」

「…お前がすぐにはぐれるから繋いでやる。」

「そりゃ、どーも」

「もーそろそろ時間だな…よし、帰るか!!」

…夕方には俺のスルースキルは大分上達してしまった。
…なんかもう勝手にやってれば良いと思う。



その日一日…サンジとゾロのイチャイチャを見せられたウソップは…精神的ダメージで死にかけながらも、二人を時間通りに船に戻すという指名だけは果たした。

頬を染めるゾロという大変珍しい光景を今日一日だけで幾度となく見たウソップは、あれ?これゾロもサンジのこと好きなんじゃね?と思ったが…いつもいつも、いっつも被害に合うので、その腹いせとしてサンジには教えなかったとか…。


それから何故かその日からルフィがゾロを騙してしていた挨拶のキスをしなくなった。
…何でだろうな??



ーーーーー

付き合ってると思ってるゾロちゃんと片想いだと思ってるサンジくんでしたーー。
で、首根っこ掴まれていった船長さんとナミ様はここから付き合い始めた感じですかね??(*^^*)


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あきゅろす。
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