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尋問
「ねぇサンジくん、夕ご飯にたっぷりのお肉が食べたいわ。」

にこ、と笑顔もつけるサービスをつけて、何でもないことのようにナミは言う。
この船のコックはこう言えば何も疑わずに言う通りにしてくれる。

「わっかりました〜勿論誠心誠意力を込めて作らせていただきます!!」

今回もやっぱりそうだった。

「よろしくね♪」

るんたるんたと妙な足取りでキッチンへと消えていったサンジを見てナミはよしっと黒い笑みを浮かべた。

「これでサンジくんはキッチンに籠りっきり、ルフィも肉の匂いに釣られてそっちに行くし、ウソップは見張り番。

、、、、、これでゾロに尋問ができるっ!!」



…さぁ、尋問の開始です。
ゾロちゃん、これだけは言っておきます。

…御愁傷様です。


昼寝をしていたゾロを起こし、女部屋へと引っぱりこむ。

「さぁ!ゾロ、観念しなさい!!」

「…?何がだ?」

突然のことにゾロ目を白黒させている。

「サンジくんとのことに決まってるじゃない (ニヤ」

「…ま、魔女」

黒い笑みを浮かべたナミを見てゾロは若干震えてぽつりと呟いた。
…うん、怖かったらしい。



結局、ゾロはナミ秘蔵の酒で喋ることとなった。
…いや、早々に諦めたのだが。


「で、いつ?いつからサンジくんのことが好きなの!?」

「ちょ、ちょっと待て!何で好きってことが前提で話が進んでんだよ!」

「え〜、あんな顔でサンジくんのこと見つめておいて今さらそんなこと言う?」

あんな顔、とは昼間、ナミにからかわれた時に見せた真っ赤に染まった表情のことだ。
あの時の顔は“サンジのことが好きです”と物語っていた。…と、ナミは思う。
誤魔化せない、とゾロは観念した。
…いや、早々に観念していたが。


仕方なく話し始める。


「…お前に、コックが俺と仲良くなりたいって教えられた日…」

「え?そんなに前からなの!?」

「違ぇ!…その日は…少し話して、面白い奴だと思っただけだ。」

「うん!うん!!」

「……それで、ローグタウン出た後、くいな…昔の幼馴染みにそっくりな海兵に会って。…少し動揺してたらすぐばれて…。」

「ああ、サンジくん目敏そうよね!!」

「話し聞いてもらって…あ、頭撫でられてるうちに眠っちまって…。」

かぁ、と頬を赤く染めるゾロ。
ナミはうんうんと頷きながらも容赦無く続きを促す。

「海賊狩りになってからは夜眠れなくなってたのに何で寝れたんだろうって考えて…でも分かんなくってサンジに聞いたんだ。」

「うん!!うん!!」

…んな目キラキラさせてんなよ…。

「そしたら、この前の再現したら分かるんじゃないかってコックに言われて…。」

「へぇ〜((サンジくんとは思えないほど積極的ね!動揺しすぎて口走ったのかしら?))」

「そ、そしたら…」

「そしたら?」

「………好きって…言われた。」

「……ええええぇぇえ!!!!????」

キーンってした…。
耳がっ…耳がっ!!

ダメージに悶えるゾロを、ナミはガクガクと揺さぶった。

「何で?何であのヘタレが告白なんてできたの!?」

…酷い言われようだった。

「…知るかっ!!」

「へぇー、へぇーー。あのサンジくんがねぇ…。で、返事は?」

聞いた瞬間、真っ赤っ赤になるゾロ。

「…OKしたのね!!おめでとう!!付き合ったなら二人とも報告してくれればよかったのに!!」

思わずナミはぎゅうううっとゾロを抱き締めた。
ゾロは真っ赤なまま固まっているのでされるがままだ。
せっかくなので頭も撫でてみる。

ふふ、ふわふわで気持ち良い♪
サンジくんも思わず撫でちゃうわよね!

「そっかぁ、そっかぁ!ゾロとサンジくんがカップルね♪ふふ。ウソップがはぐれちゃうわね。あ、ウソップはカヤさんがいるのよね!ってことはこの船、皆相手がいるじゃない!!」

「…皆?」

されるがままだったゾロはだが、ナミの言葉に疑問を覚えて首を傾げた。

ナミはまだ分かる。
どこかに恋人(…金づる?)の一人や二人、いてもおかしくはない。
でも…ルフィ?
…出会ってから今まで女の気配なんてしなかったけどな。

…ルフィが自分を好いていたなんてことには気付いていないゾロはやっぱり首を傾げていた。

そんなゾロを見て、ナミは笑う。

「ふふふ。ルフィがね、想い人を他の人に取られたら私を恋人にしてくれるって言ったの。」

それはそれは幸せそうな笑みだった。

ゾロは目を真ん丸にする。

今のナミを見ているだけでもナミはルフィが好きなんだと分かる。
全然気付かなかった。それに…

「ナミはそれでいいのか?そんな…」

「想い人の代わり。みたいな?」

「………」

言えなかった言葉をナミが、何でもないことのように言った。
ゾロは思わず黙ってしまう。
ナミは柔らかく笑って見せた。

この男は…魔獣なんて呼ばれているくせに…なんて優しいの。

「いいのよ。その人には敵わないって知ってるから。…だってね、嫌いになれないんだもん。八つ当たりに憎もうとしても出来ないぐらい良い奴なの。ルフィがいなかったらその人でも良かったなって思うぐらい、良い奴なの。」

「ふーん。」

「それにね、ルフィが言ったの。
“そいつの次にナミが好きだ”って。
だからね、今はそれでいいの。…直ぐに私しか見えないようにしてやるんだからっ!!」

「…ナミは強いな。」

「えへへ♪……って私のことは良いからゾロの話聞かせてよ!!」

「っ!!」




…そうしてウソップが呼びに来るまでナミによる尋問…という名の女子会は続いたのであった マル





ーーーーー


まさかナミさんもゾロちゃんが嫌いじゃねぇ、なんて返したとは思ってもいません(笑)
この二人はサンジくんとゾロちゃんは付き合っているものと思っています。

題名の横に夜は一緒に…の後ぐらいと書きましたが、その後の“日常”でルフィがゾロちゃんに少し絡むのですね…。
つまりそこではまだナミさんとルフィが付き合っていないということに…ウムム…。

、、、つまり、、、
“夜は一緒に…”の次の日に尋問が行われ、タイミングが合わずにルフィとナミさんは“日常”の後から付き合い始めた、ということにでもしてください(-_-;)ムリヤリ。

よろしくお願いしますm(__)m


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