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貴方の返事を聞かせてください… 2
ロビンちゃんが仲間に加わってしばらくがたったある夜…。
明日の仕込みを終え、格納庫の食料の確認も終えたサンジの元にロビンちゃんがやって来た。
ゾロは寝ず番だ。
ロビンちゃんが来てから寝ず番の回数が増えた。
警戒してしまって眠れないんだと思う。
でもあいつビビちゃんが最初に船に乗った時はぐうぐう寝てたんだよな…。
警戒心の基準はどこにあるんだろう?

いつかのゾロにも出したカモミールティーを淹れてロビンちゃんとダイニングの机に向かい合って座る。

「…で、どうしたの?ロビンちゃん。夜キッチンに来たの初めてだよね?何かあった??」

ロビンちゃんは差し出したカモミールティーにそおっと口をつけて飲むと…はぁ、と息を吐き出した。

あ、俺がロビンちゃんに警戒心を抱けない理由がわかった。
ロビンちゃん、基本的にゾロに似てるんだ。

「いいえ、そうじゃないの…その…船の中での関係性を知っておきたいと思って。」

「関係性?特に大したことはないと思うけど…あ、ルフィがゾロを狙ってるってことぐらいか…?でもこの頃は大人しいしな。ウソップは故郷に彼女がいるし皆と仲が良いよな。…ナミさんは船の中で誰よりも強いでしょ。チョッパーは…皆から…特にゾロから可愛がられてるよな…。」

「船医さんは可愛いものね。…それにしても…船長さんは剣士さんを狙っていたのね。…でも私は剣士さんは貴方と付き合っているものだと思っていたわ。…夜、一緒に寝ているでしょう?…寧ろその話が聞きたくて貴方を捕まえたのだけど…」

「…付き合ってはいませんよ。……今口説き落としている途中なので…できれば取らないで下さいね。」

「取ろうと思っても取れないわよ。私、警戒されちゃってるもの。」

クス、と気にした素振りも見せずに微笑んだロビンにサンジはあ、と言葉を洩らした。

「何かしら?」

ロビンに尋ねられ、サンジは目を反らした。
とってもとっても言いづらそうに…

「できれば、でいいんだけど…夜気配を消して歩くの…やめれないかなぁ。ごめんね、船の中で何しようと個人の自由なんだけど…。」

「バレていたのね。ごめんなさい。船の中を見ていただけなの…。新しい場所では逃げ道を確保しておくことが習慣になってしまっているの。…でも何故?誰かが起きてしまうかも、と気配は消した筈なのに…何故気付いたのかしら?」

「…俺の思い人は繊細で…夜の眠りがとても浅いんです。俺の気配とかを気に入ってるみたいで側にいれば寝れるんだけど…ロビンちゃんのことはまだ警戒してて…気配が消えると気になるみたいで起きちゃうんだ。…ごめんね。」

「いいえ。警戒させている私の所為なんだからいいのよ。逆の立場なら私だって警戒するわ。…でも、寝れるってことは…彼、夜寝れない体質なの?」

「はい」

ロビンちゃんはクスリと笑った。
嘲るようなものではなかった。
純粋に、思わず洩れてしまった笑みだ。

「私と一緒ね。」

「…ロビンちゃんも夜眠れないの?」

「剣士さんほど酷くはないけどね。よく追われる生活をしていたから…剣士さんが起きてしまう気持ちはなんとなく分かるわ。」

遠くを見るような寂しげな目をしていた。
それ以上、聞かないでほしいと言っている。
だから代わりに、もう冷めてしまったカモミールティーを入れ直した。
ほんの少しの砂糖を入れて。

ロビンちゃんは一口飲んでから柔らかく微笑んだ。

「美味しいわ。流石は一流コックさん。」

「ありがとうございます。」

なんだか…ゾロが一緒の時のように、、、ひどく落ち着く時間だった。


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