貴方の返事を聞かせてください…
戦いの終わった次の日、目が覚めて一番に見たのはビビちゃんの笑顔だった。
「サンジさん!良かった。目が覚めたんですね!!」
「ビビちゃん、ここは?」
「王宮です。海軍も来ないので安心して休んで下さい。」
「…そうか。ありがとう。」
ふわふわと触り心地の良いベットに手をつき体を起こす。
まだ重たいが、動けないほどではない。
「皆呆れるほどの回復力ですね。」
「皆?もう起きてる奴がいるの?」
「えぇ。Mr.ブシドーが一番最初に、あとはナミさんがついさっきに起きました。」
ビビちゃんの言葉を聞きながらゾロは眠れなかったんだな、と推測した。
こんなに色んな人の気配が動いてる場所じゃあいつにはキツいだろ。
気絶して、少し体力回復させたら直ぐに起きちまったんだろうな。近い内にゆっくり寝させてやんねぇと。
…そう思っていると、ビビが突然頭を下げた。
「サンジさん!ごめんなさい!!」
「え?な、何が?取り合えず頭上げてよビビちゃん」
サンジが慌てていると、ビビはとても言いにくそうに目を反らしながら口を開いた。
「サンジさんとMr.ブシドーが…その、そういう関係だって知らなくて…私サンジさんに甘えていたところもあったから…。」
…あぁ、なるほど。
つまり俺とゾロが喧嘩ばっかりだったのは自分の所為かって思っちゃったのか。
…気ぃ使わせちまったな。
「大丈夫だよ、ビビちゃん。いっつもあんな感じだし、それに、、、俺とゾロは付き合ってたりする訳じゃないんだ。」
「…え?」
ビビちゃんのもともとぱっちりとした目がさらに大きくなる。
あぁ、可愛いな。うん。
こういう子を好きになるのが普通なんだろうな。…でも……
「まだ、俺の片想いなんだよ。」
「まだ…。」
「うん。近い内に言うつもりだから…受け取ってもらえると良いんだけどね。」
パチンとウインクを決めると、、、ビビちゃんの目が輝きだした。
、、、、気がついた時には出会いから始まって好きになった瞬間のことや好きなところのことなんかを聞き出された。
なんだこれ、恥ずかしい…。
…で、
「いつ告白はするの!?」
「えっと、タイミングが合えばいつでも。」
「頑張ってくださいね!!」
「…う、うん。」
、、、、、とか言っていたのに、、、。
王宮にいる間、ゾロはひたっすら鍛練をしていた。
俺だって出港準備のために色々やることがあって、、、やっとゾロを見つけたと思ったらあいつ寝不足でフラフラしてやがるんだ。
抱きしめてさえくれれば寝れるなんて可愛いことを言われたら…寝かせてやるしかねぇだろ?
そんなこんなをしているうちに告白もなにも言えぬままアラバスタを出てしまった。
ビビちゃんとの悲しい別れや、、、
(「サンジさん、告白頑張って♪私も…コーザに素直になってみる!」とすごい良い笑顔で言われた。…コーザってあの反乱軍だったビビちゃんの幼馴染みだよな…。ビビちゃんはあいつが好きなのか…。………くっそう!!)
ロビンちゃんとの出会いなんかがあって、ゾロには告白どころかアラバスタの戦いの後の告白についても聞けていなかった。
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